2012年06月16日

『人生で大切なことは、すべて「書店」で買える。』 いまどき理想の上司や先輩なんかに出会えないから

4534048564人生で大切なことは、すべて「書店」で買える。
千田 琢哉
日本実業出版社 2011-07-28

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 最近、ビジネス書を読んで勉強する若手になかなかお目にかかれない。

 私は20代の頃、ウマが合わない上司の理不尽な指示に悩まされ続けていた。仕事がデキて尊敬できる上司ならまだしも、大して周囲(会社や上司・部下含む)の評価も高くないのに若手を無駄に苦しめる上司。

 「何とかコイツをギャフンと言わせれないものか!」

 私は、知識で対抗するため、ビジネス書を読みあさることにした。経験では勝てないが、知識で圧倒して

 「論破してやる!」

と粋がっていたものだ(これも " 若気の至り " と言うのかな?)。しかし最近では、インターネットに接続すれば、あらゆる情報が手に入る。とある私の部下は何か分からないことがあると

 「 "先生" に聞いてみよう」

と検索窓に入力を始める。ここで言う先生とは " Google " 先生のことである。私の親の世代は、ビジネス書は " 偉い人 " のものであったから、当時の " 先生 " は職場の上司や先輩であった。そして、我々団塊ジュニアの時代の " 先生 " は、終身雇用の崩壊に戸惑う職場の上司や先輩ではなく " ビジネス書 " が担っていたのかも知れない。

 ⇒鳴海の関連記事 『土井英司の「超」ビジネス書講義』 に学ぶ " ビジネス書の潮流 " 

 そしていまや、雑誌のように短命なビジネス書が増えつつある昨今。当たり前のように慣れ親しんだ " インターネット上に転がっている情報 " こそ、いまどきの若者の先生となりつつあるのかも知れない。

 「いまどきの若者は・・・」

と言いたくなる。いや、待てよ・・・ 自分も若手の頃、そう言われてなかったか? これを " 年寄りの愚痴 " とでも言うのか、時代は不変か? 今なら自信を持って言えることがある。短命になったとは言え、捨てもんじゃないビジネス書もたくさんある。

 さて前置きが長くなったが 今回紹介する本は自己啓発ジャンルでは、売れっ子著者となった千田琢哉氏の本。千田氏は大学に入学するまで、漫画以外の本は1冊も読んだことがなかったらしい。あるときふらりと立ち寄った丸善で手に取った 『昨日までの自分に別れを告げる』(中谷彰浩著/ダイヤモンド社) と出会い、常軌を逸するほどの " 本の虫 " に生まれ変わる。その後、大学4年間で1万冊以上、つまり1000万円以上を投資したというから恐れ入る。

 千田氏は個人的には大好きな著者で、共感できるメッセージが多い。昨年8月に発行された本であるが、先日会社の朝礼でのスピーチのネタとして使ってみた。

 「もっとビジネス書を読めよ」

という裏のメッセージを込めて・・・ 本書には全部で80のフレーズが紹介されている。その中で、私が個人的に気に入った " 深イイ " フレーズを紹介する。

【76】「どんな1冊にも10万円の価値があると心得る」 (p178)
【04】「読書をしてから実践すると成功率が桁外れに高まる」 (p20)
【54】「本の買い過ぎで貧乏になった人はいない」 (p130)
【53】「本にかけたお金とその人の年収は比例する」 (p128)

これらのフレーズをネタに朝礼スピーチをやってみた。流れはこんな感じだ。

1) 丁度いいタイミングで適切なアドバイスをくれる
 そんな理想の上司や先輩に出会うことは難しいよね?

 (自分も優秀な上司とは限らないしね・・・ と一応謙遜してみる)

2)質問 「1冊の本を出すのにいくらかかっていると思う?」
→ 実は出版社は約300万円のコストをかけている。ちなみに著者の印税は約10%
→ 著者目線で言えば、1,000円の本が仮に1万部売れても100万円しか印税がもらえない計算。当然、出版社は 1万部の本ばかりでは採算的に厳しい。
→ 著者は執筆の時間に限らず、書くに至った経験するための労力と時間を割いている・・・
だから1冊10万円だと考えても安いくらい。だったら1冊1,000円だろうと1,500円だろうと誤差。

3)質問 「なぜ本を読む必要があるか?」
 編集者も著者も自分たちの人生を総動員して、経験と知恵の全てを注ぎこんで、1冊の本を世に送り出している。机上の空論の専門家の本は売れなくなっているから、実践的な本も多い。

→ だから本を読んでから仕事をすると成功率が高まる!
 自分の抱えている仕事が一般的な仕事なのか、それとも今の会社や職場独特の仕事なのかの判断がつく。
→ つまりこの仕事を極めたとして、他の会社や職場で通用するのか否か? 判断がつく。

4)「本を買うお金がない・・・」なんて言わずに!
 本を毎日1冊ずつ買ったからと言って自己破産することはないし、コツコツ1日1冊読み続けて年間300冊読んだ人と、まともに読まなかった人との差は歴然となる!

「本にかけたお金と年収は比例する」

と言われているから、騙されたと思ってビジネス書を読んで欲しい。

 こんな内容をスピーチでやってみた。自分が " 優秀な上司 " になるためには、時間も経験も必要。本を読むと " スキルアップ " につながる、ということを部下に教えた方がお互いにストレスがないはずである。

 本書では他にもこんなフレーズが載っている。

【12】「買って家に帰る前にカフェで読む」(p38)
【19】「2回立ち読みした本は買っておいて間違いはない」(p52)

「書店に行くと立ち読みを2回してしまう本があります。一度手にして気になったのでもう一度手にする本です。(略)2回以上立ち読みさせた本は、あなたの潜在意識がそれを欲しているからに他になりません。」(p52)
 へぇ~と思い、実行することにした。

 本は " 一期一会 " と言われることもあるが、年間8万点も発行されているのだから、新しい本もすぐに書店から消えてしまう。だから " 迷った時は買う " が正解のようである。

【21】「本を借りて読む人は自分も一生使われて終わる」(p58)

 私は最近、小説は図書館で借りるようにしているがビジネス書は必ず " 自腹 " を切って買っている。とは言え、本の話題になり「貸して」と言われることからは逃げ切れない。その都度「本を借りて読む人は・・・」なんて説いても仕方ないし、感じ悪いからもう1冊同じ本を買って渡すようにしている。

「気に入ったらあげるよ!もしそうでもなかったらテキトーなタイミングで返してくれればいいよ」

 こんな感じで対応すると相手に喜ばれる。お金は倍の出費だが、もし返して貰えたら、別の人にその本を貸す(プレゼントする)こともできるし、(自己満足かもしれないが)スマートな気がする・・・

【55】「お金持ちが書斎を持つのではなく書斎を持つからお金持ちになる」(p132)

 これは是非やりたい! これは直近の目標である。書棚がパンク状態で、もう一度読みたい本がすぐに探せないのが、目下の私のストレス要因である。

【61】「運命の本はつらいときにしか出逢えない」(p146)

「どん底状態こそ真の読書の好機」との事。こんなメッセージもウマいもんだな・・・と感心した。

「人生には二つの時期があるということに気づかされます。運命の本に出逢うラッキーな時期と、運命の本に出逢えない冴えない時期です。運命の本に出逢えないときには、残念賞として平和ボケを提供されているのです。」(p147)

【77】「本は買った瞬間に目的の半分以上を達成している」(p180)
【80】「積読本(つんどくぼん)は枕元に置く」(p186)

「積読されている本を眺めるたびにため息が出てしまいます。積読はあなたにとって義務ではありません。そもそも読書は好きでするものなのに、読書が義務になるほど人生をつまらなくすることはありません。(略)購入するまでのプロセスは、その本を読み進めるための原動力となります。決定打として自腹でお金を払って購入した瞬間に、事前情報がスッと記憶に残ります。(略)つまり積読された本というのは、仮にそのまま読まれなかったとしてもすでに多くを吸収してとっくに元は取れているのです。」(p180)

 なんて気が楽になるメッセージなのだろう。そして積読本の対策まで書かれているから嬉しい。

「僕は枕元にいつも読みかけの本がどっさり積んであります。途中で読むのを放棄してしまった本ばかりです。(略)まったく眠くなかったら超ラッキーだと考えます。眠くなるまでの間、『読書タイムを神様からプレゼントしてもらった』と感謝します。(略)大好きなことで夜更かしできるのであれば本望だからです。ただし少しでも眠くなってきたら、パタリと本を閉じて次の習慣はもう眠っています。(略)自然の摂理に反した読書は頭に入らない上に、読書を嫌いにしてしまいます。」(p186)

 積読の量が減る上にうっかり眠くなれば儲けもの・・・。いかがだろうか。サブタイトルは " 20代で身につけたい本の読み方80 " だから、若手向けの本であることは間違いない。しかしベテランであっても共感できるメッセージが満載だから偏見を持たずに是非読んで欲しい。

「本を読め!もっと勉強しろ!」

と部下を叱る前に、一度自分で目を通してみて部下にプレゼントしてみてはいかがだろう。 " 優秀な上司 " であれば違ったアプローチで部下を育成することも考えなければならない。彼らにとっての " 先生 " はもはや我々ではないかも知れないのだから・・・

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posted by 鳴海寿俊 at 00:00| Comment(0) | 【書籍】 ビジネス書 | 更新情報をチェックする
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