2014年08月18日

本作りに携わる人たちに知って欲しい読者が支払う 【3重のコスト】

【連載コラム】 ビジネス書に対する接し方が変わってしまった! (その3)
 ⇒⇒ (その1)から読みたい方は こちら 

 最近、ビジネス書に対する接し方が変わってしまった。きっかけは先日出会った 『ビジネス書を読んでもデキる人にはなれない』(漆原直行 著/マイナビ) という本。【ビジネス書】に対して3つの疑問が湧いてきたのは、 (その1) で触れた通り。今回は(疑問3)について書いてみる。

ビジネス書を読んでもデキる人にはなれない (マイナビ新書)ビジネス書を読んでもデキる人にはなれない (マイナビ新書)
漆原 直行

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⇒ 鳴海の紹介記事はこちら

(疑問1)
ビジネス書の著者になることはそんなに価値のあることなのか?
⇒ 鳴海のこたえは こちら

(疑問2)
このブログで出版業界に対して苦言を呈したところで何か変わるのか?
⇒ 鳴海のこたえは こちら

(疑問3)
そもそもビジネス書を買う価値があるのか?

(疑問3)
そもそもビジネス書を買う価値があるのか?


 他の読者がこんな疑問を抱かないよう、「売れたモン勝ち」「とにかく一瞬でも話題になって、注文されて、売り抜けてしまえばこちらのもの」 といった本づくりが行われないことを願ってやまない。読んでガッカリするような本はもう書店に送り出さないで欲しい!

 今の私はもっぱら、「買う価値のある本だけ買う」 というスタイルになってしまっている。昨年までは、年間100冊以上のビジネス書を購入していた。「少しでも出版業界に貢献できれば・・・」 というささやかな気持ちからだ。

 自己啓発書の著者、千田琢哉氏はこう述べている。

「どんな1冊にも10万円の価値があると心得る」 (p178)
「本を借りて読む人は自分も一生使われて終わる」 (p 58)
「本の買い過ぎで貧乏になった人はいない」 (p130)
「本にかけたお金とその人の年収は比例する」 (p128)

*『人生で大切なことは、すべて「書店」で買える』(千田琢哉 著/日本実業出版社)
 (鳴海の紹介記事は こちら
人生で大切なことは、すべて「書店」で買える。人生で大切なことは、すべて「書店」で買える。
千田 琢哉

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 千田氏には大変共感し、感銘を受けた。しかし、千田氏に対してではないが、一消費者である私は、出版業界に裏切られ続けてしまった。『ビジネス書を読んでもデキる人にはなれない』(マイナビ)で漆原直行氏はこう述べる。

読み手だけの問題ではなく、送り手である著者や出版社の一部に見受けられる、「売れたモン勝ち」「とにかく一瞬でも話題になって、注文されて、売り抜けてしまえばこちらのもの」といったあくどい商売っ気にも問題があるとも認識しています。(略)

また、あくどい著者や版元は、まるで焼畑農業のように「今度はこのネタ」「次はこんな煽り」と場所を移してあざとく読者の目先を変え、 " 売らんかな " の商売を繰り広げていく・・・。

*「ビジネス書を読んでもデキる人にはなれない」(漆原直行 著/マイナビ/)p210~211より
(鳴海の紹介記事はこちら
ビジネス書を読んでもデキる人にはなれない (マイナビ新書)ビジネス書を読んでもデキる人にはなれない (マイナビ新書)
漆原 直行

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 「一部に見受けられる」と控えめだが、実際に書店に足を運べば、似たような本ばかり。作り手である出版社だけでなく、売り手である書店側にも問題がないとは言えない。

 「少しでも出版業界に貢献できれば・・・」 というささやかな気持ち。

 (書店界のゴッドファーザーではないが)、あまりにも「くだらない本が多すぎる」(鳴海の関連記事は こちら )。「買う価値なかったな」 と思うたび、この献身的な気持ちが薄れていったのは間違いない。

 出費だけではなく、書棚スペースにも限界がある。年間100冊のペースで購入していると、相当な頻度で書棚の片づけをしなければならない。だから「くだらない本」を買ってしまうと、本代だけでなく、片づけや処分するために選定する【時間というコスト】も失ってしまう。それに加えて、本を処分することに対する【抵抗感】。これは言ってみれば、【心理的なコスト】である。言ってみれば、【3重のコスト】だ。

 だから、漆原氏が訴える 「送り手である著者や出版社の一部に見受けられる、『売れたモン勝ち』『とにかく一瞬でも話題になって、注文されて、売り抜けてしまえばこちらのもの』といったあくどい商売っ気」 は読者にとって、悪の何ものでもない。

 処分しなければならない本を買ってしまうのは 「本の目利きが悪い」 から、と言われたらそれまでだが、本の内容(クオリティ)は劣化しているのに、衝動買いさせる装丁やキャッチコピーの類はどんどん洗練されてくるから厄介である。書店で十分吟味できれば良いが、多少気に入ったら買ってしまう(買ってあげたい)のが心情というもの。

1回読めばいい本は「借りて読む」でいいのではないか・・・

残念ながら、最近はこう考えてしまう。本作りに携わる人に認識して欲しいのは、「くだらない本」 を世に送り出してしまった時、読者が本を買うのに支払っているコストは購入代金だけではないこと。【3重のコスト】 が発生していることをよくよく考えてもらいたい。

読者が支払う 【3重のコスト】
 1.購入するための 【お金】
 2.整理するための 【時間】
 3.処分することに対する心理的な 【痛み(抵抗感)】

続きは こちら 

【連載コラム】 ビジネス書に対する接し方が変わってしまった!
 ┣ (その1) 【ビジネス書】 の著者になることはそんなに価値のあることなのか?
 ┣ (その2) 身内批判を恐れない! 出版業界を中から変えてくれそうな勇気ある変革者たち
 ┣ (その3) 本作りに携わる人たちに知って欲しい読者が支払う 【3重のコスト】
 ┣ (その4) これからの【ビジネス書】のあり方とは?
 ┣ (その5) 【ビジネス書】 は買う価値があるのか? 図書館の利用価値は?


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posted by 鳴海寿俊 at 00:00| Comment(0) | 【連載】 ビジネス書との接し方 | 更新情報をチェックする
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