2013年10月28日

『仕事の哲学(ドラッカー名言集)』 不得手なことの改善にあまり時間を使ってはならない!

4478331030仕事の哲学 (ドラッカー名言集)
P・F・ドラッカー 上田 惇生
ダイヤモンド社 2003-08-01

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 今回紹介する本は言わずと知れた、ドラッカー氏の名言集。ちなみに、amazon で「仕事の哲学」というワードで検索すると、今年出た『一流役員が実践している仕事の哲学』(安田正著/クロスメディア・パブリッシング)の方が上位に出てくる。何とも微妙だ。安田氏の本もそれなりに面白いが(鳴海の紹介記事は こちら )、やっぱり名著が上に出てこないと・・・ と思うのは私だけだろうか。

 少々横道にそれるが、今日 『噂の!東京マガジン』(TBS)を見ていたら、街頭インタビューを受けていたほとんどの若者が「座右の銘」という言葉自体を知らず、答えられなかった。しかしそんな中、ひとりの若者は

「実るほど頭(こうべ)を垂れる稲穂かな」
(稲穂は 実れば実るほど穂先を垂れ頭を下げることから、君子は学識や徳行が深まるほど謙虚 になるものだということ)

という詠み人知らずのこの俳句を挙げていた。聞いたことはあったが、改めてこの句の意味するところの深さを思い知らされた気がした。

では、私(鳴海)の座右の銘は?
と聞かれたら、何と答えるたろう・・・ たぶん これ↓

「不得手なことの改善にあまり時間を使ってはならない。自らの強みに集中すべきである。無能を並みの水準にするには一流を超一流にするよりもはるかに多くのエネルギーと努力を必要とする」 (ドラッカー)

あともう1つ挙げるならこれ↓ かな。

「伏すこと久しきは、飛ぶこと必ず高し(長い間うずくまって力をたくわえていた鳥は、いったん飛び立てば、必ず高く舞い上がる) (菜根譚)

(鳴海の参考記事)
『中国古典一日一言』 選りすぐりの仕事の知恵、人生の指針を示す名言集
 ┣  前編
 ┣  後編

『知識ゼロからのビジネス菜根譚』
 約400年前の儒教・仏教・道教の教えを受け継ぐ処世術
 ┣  第1章紹介 社会人として
 ┣  第2章紹介 世渡りの術
 ┣  第3章紹介 人とのかかわり
 ┣  第4章紹介 仕事に取り組む
 ┣  第5章紹介 日々の生活において
 ┣  第6章紹介 人の上に立つ
 ┣  第7章紹介 事業を行うとき

「困難」は未来の「ありがとう」の意味は?

 実は、私の座右の銘でもあるドラッカー氏のこの言葉・・・ 
「不得手なことの改善にあまり時間を使ってはならない。自らの強みに集中すべきである。無能を並みの水準にするには一流を超一流にするよりもはるかに多くのエネルギーと努力を必要とする」

本書のp59で紹介されており、出典は確かに『明日を支配するもの』とあるにも関わらず、不思議なことに原典の『明日を支配するもの』(鳴海の紹介記事は こちら )を見ても、この表現は見当たらないのだ。この点についてドラッカー氏はこう述べている。

「本書は、私の主な著作から中核的な言葉を抜き出したものである。実質的な作業は、昔からの友人であり、私のほとんどの著作の訳者である上田惇生教授にお願いした」
 (p2)

とあり、編訳者あとがきで上田氏がこう述べている。

「本書収録分の出典は別掲のとおりである。文章は簡明を期して訳し直した」 
 (p217)

とのこと。そう・・・ 本書は出典を示してはいるものの、文章は原典の日本語訳の文章がそのまま抜き出されている訳ではない。始めから分かっていればどうということはないが、この

「不得手な──」

で始まるくだりが好きな理由の1つでもあり、原典(『明日を支配するもの』)を読んで、必死にこの表現を探してしまったので、若干不信感は残る。ただ当然ながら内容に食い違いはないし、原典よりも簡潔にまとめてくれているので良しとしよう。

ではさっそく、私の気に入った名言をピックアップしていく。


● 成長

4478330468創生の時―往復書簡〈2〉 (往復書簡 (2))
P・F. ドラッカー Peter F Drucker 中内 功
ダイヤモンド社 1995-05

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完全な仕事とは何か (p19)
「紀元前440年頃、ギリシャの彫刻家フェイディアスは、アテネのパンテオンの屋根に建つ彫像群を完成させた。だがフェイディアスの請求書に対し、アテネの会計官は支払いを拒んだ。『彫像の背中は見えない。見えない部分まで彫って請求してくるとは何事か』。それに対し、フェイディアスは答えた。『そんなことはない。神々が見ている』

『創世の時』より

 この言葉はスティーブ・ジョブズ氏の見えない部分へのものづくりに対する ”こだわり ”と重なる。『スティーブ・ジョブズⅠ』(鳴海の紹介記事は こちら )ではこう紹介されている。

「かつてジョブズは父親から、優れた工芸品は見えないところもすべて美しく仕上がっているものだと教えられた。これをジョブズがどれほど突きつめようとしたのかは、プリント基板の例を見るとよくわかる。チップなどの部品が取り付けられた基板はマッキントッシュの奥深くに配置され、消費者の目には触れない。そのプリント基板でさえジョブズは、美しさを基準に評価したのだ」
(『スティーブ・ジョブズⅠ』 p216)

ペーパーバック版 スティーブ・ジョブズ 1ペーパーバック版 スティーブ・ジョブズ 1
ウォルター・アイザックソン 井口 耕二

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● 成果能力/コミュニケーション

4478410232マネジメント[エッセンシャル版] - 基本と原則
ピーター・F・ドラッカー 上田 惇生
ダイヤモンド社 2001-12-14

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成果能力 (p29)
「成果とは百発百中ではない。百発百中とは曲芸である。成果とは、長期にわたって業績をもたらし続けることである

受け手の言葉を使う (p128)
「ソクラテスは『大工と話すときは、大工の言葉を使え』と説いた。コミュニケーションは、受け手の言葉を使わなければ成立しない。受け手の経験にもとづいた言葉を使わなければならない。」

『マネジメント』 より


● チームワーク/リーダーシップ/時間管理

447832073X新訳 経営者の条件 (ドラッカー選書)
P・F. ドラッカー Peter F. Drucker 上田 惇生
ダイヤモンド社 1995-01

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強みを総動員せよ (p118)
成果をあげるには、人の強みを生かさなければならない。弱みからは何も生まれない。結果を生むには、利用できるかぎりの強み、すなわち同僚の強み、上司の強み、自らの強みを総動員しなければならない」

おのれよりも優れた者に働いてもらう (p119)
「鉄鋼王アンドリュー・カネーネギーが自らの墓碑銘に刻ませた『おのれよりも優れた者に働いてもらう方法を知る男、ここに眠る』との言葉ほど、大きな誇りはない。成果をあげるための優れた処方はない」

上司をマネジメントする方法 (p120)
「上司をいかにマネジメントするか。実のところ、答えはかなり簡単である。上司の強みを生かすことである」

部下の強みを生かす責任 (p141)
「部下の弱みに目を向けることは、間違っているばかりか無責任である。上司たる者は、組織に対して、部下一人ひとりの強みを可能なかぎり生かす責任がある。部下に対して、彼らの強みを最大限に生かす責任がある」

時間からスタートせよ (p188)
「成果をあげる者は、仕事からスタートしない。時間からスタートする。計画からもスタートしない。何に時間をとられているかを明らかにすることからスタートする。次に、時間を管理すべく、時間を奪おうとする非生産的な要求を退ける。そして最後に、得られた自由な時間を大きくまとめる」

『経営者の条件』 より
4478370869未来企業―生き残る組織の条件
P.F. ドラッカー Peter F. Drucker
ダイヤモンド社 1992-08

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上司と信頼関係を築くには (p121)
「上司をマネジメントするということは、上司と信頼関係を築くことである。そのためには、上司の側が、部下が自分の強みに合わせて仕事をし、弱みや限界に対して防御策を講じてくれるという信頼をもてなければならない」

『未来企業』 より


● 強み

4478372632明日を支配するもの―21世紀のマネジメント革命
P.F. ドラッカー Peter F. Drucker
ダイヤモンド社 1999-03

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自らの強みに集中せよ (p59)
「不得手なことの改善にあまり時間を使ってはならない。自らの強みに集中すべきである。無能を並みの水準にするには一流を超一流にするよりもはるかに多くのエネルギーと努力を必要とする」

第二の人生に備えるたった一つの条件
 (p215)
「第二の人生をもつには、一つだけ条件がある。本格的に踏み切るかなり前から助走しなければならない

『明日を支配するもの』 より


いかがだろうか。ドラッカー氏の言葉を口に出して言うと、カッコつけているように見られてしまう ”デメリット ”は拭えないのだが・・・(そう感じるのは私だけ?)とは言え、内に秘めてその通り実践してみる ”価値 ”は計り知れない。

4478331030仕事の哲学 (ドラッカー名言集)
P・F・ドラッカー 上田 惇生
ダイヤモンド社 2003-08-01

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posted by 鳴海寿俊 at 00:00| Comment(0) | 【書籍】 ビジネス書 | 更新情報をチェックする
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