2014年10月25日

紙の本と電子書籍、馬車と自動車

Aさん
「あなたは移動する時、馬車を使っていますか?」

Bさん
「使ってませんよ! 馬車なんて今はないし、車の方が便利だし・・・」

Aさん
「ちなみに、仮に馬車があったとしたら乗りたいと思いますか?」

Bさん
「いいえ。時間があって、雰囲気を楽しみたいときは乗りたい気はしますが」

Aさん
「ちなみに、電子書籍を読んだことはありまか?」

Bさん
「いいえ。読書はやっぱり紙の本でしたいですし・・・」

Aさん
「では、ネットで紙の本を買ったことがありますか?」

Bさん
「はい。すぐ読みたいときは書店に足を運ぶよりも早く届いて便利ですし」

Aさん
「でも、電子書籍なら注文してすぐに読むことができますよ。それに私は紙の本と
 電子書籍を使い分けてますよ、 両方それぞれ便利なところがありますし・・・」

Bさん
 「・・・」



 電子書籍を使い込んでいない人が、「紙の本がいい」なんて(自分だけならいいが)他の読者に強いるのは認めてはいけない! そして同じ(紙の)本を買うのに、amazonなどのネット書店を「書店は滅びない」など言って、ネット書店を排除しようとするのも許せない! 多様な読者の嗜好を理解して、本の良さや楽しさをもっと真剣に伝えるべきではないか?

 書店員は忙しいと聞く・・・ ちなみに、あなたは年に何冊の本を読んでいますか? 店に並べる、本作りにかかわるだけで読んだ気になっていませんか? 一番本を買って、読んで、貢献し、見本を示すべき人が先頭に立って、真剣に読者のことを考えて、本との接点を作ろうとしていますか?

◆真剣に出版業界を盛り上げようとしている人はこんなにいる・・・
  → 出版業界を変えてくれそうなキーパーソン 

◆鳴海の参考記事
 ┣ 未来の【書店員】と【客】との会話はこうなる!?
 ┣ 買おうとした本が電子化されていないことに気づいた時の残念感をフローにしてみた(1)
 ┣ 買おうとした本が電子化されていないことに気づいた時の残念感をフローにしてみた(2) 

 紙と電子の市場規模
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インプレス総合研究所『電子書籍ビジネス調査報告書2014』 によれば、2013年の電子出版市場は、1,013億円(うち書籍: 936億円)と初めて 1,000億円の大台に乗ったという。しかも5年後の2018年には、3,340億円(うち書籍: 2,790億円)に達するとの見込みだそうである。

 紙の書籍に関して言えば、2013年の書籍の売上額は 8,430億円(『出版年鑑2014』より)というから、少々粗い計算をすると、5年後には約3分の1の 紙の本が電子に取って代わってしまう・・・ と言えなくもない。しかし、これは出版業界(紙の本)の側からすると、楽観的過ぎる気がする。「紙の本が電子に取って代わってしまう」 ならばまだ良い。いまや電車内は、スマートフォンやタブレットなどの電子機器で、SNSやゲームに興じる者たちばかり。紙の書籍を読む光景はほとんど目にしなくなっている。このまま行けば、紙の書籍に取って代わるのは電子書籍ではなく、他の娯楽やサービスではないだろうか・・・ というのが私の推測である。

(参考)
電車やバスに乗って通勤・通学する人で、通勤・通学中に手持ちのスマホやタブレット端末を使って動画を見ている人はどのくらいいるのだろうか。首都圏に住む15~49歳の男女に聞いた。
(電通調べ [Business Media 誠] 2014年10月30日 16時35分)


馬車と自動車
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 株式会社ボイジャー の創業者である萩野正昭氏の著書 『電子書籍奮戦記』(新潮社/2010年) に、電子書籍と紙の本の違いについて説明した比喩が載っていたのでご紹介する。

電子書籍奮戦記電子書籍奮戦記
萩野 正昭

by G-Tools
(p29-30)

「本がなくなることはない」
そのとおり、馬車はいまだに存在します。

「本のもっている利点は、電子書籍には移植できない」
そのとおり、馬車は自動車が走れないような悪路を走ることができます。すべての道が舗装されているわけではないですし、またそうされるべきでもありません。

「本がもたらす感覚的/精神的/官能的な経験を、電子書籍は提供することはできない」
そのとおり、馬車が提供できる経験(匂いや、肌触りや、ドキドキする感じなど、他の生き物とともに過ごすことで得られる感覚)を自動車が提供することはできません。

とはいえ、今日、馬車で仕事に行った人は誰もいないでしょう。私だってそうです。「馬ぬきの車には乗らん!」と言っていた人もたくさんいたでしょうが、そうした人たちはすでに死んでしまいました。


(出典)日本語訳 『電子時代の読書~過去そして未来』

* 原典については「2009年2月に Ars Technica に掲載されたジョン・シラクッサ氏による記事 を、著者の承諾を得て全訳したものです。『The once and future e-book: on reading in the digital age』」 との記載あり

 非常に分かりやすい良い比喩だと思う。紙の本と電子書籍は別物・・・ という位、圧倒的な違いがある。それは次に紹介する電子書籍の機能で実感いただけると思う。

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posted by 鳴海寿俊 at 00:00| Comment(0) | ネット・電子書籍 | 更新情報をチェックする
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