2013年05月05日

『最強のNo.2』 大切なことは誰かにとって【必要不可欠な存在】になること

4799313118最強のNo.2 (U25 SURVIVAL MANUAL SERIES)
曽山 哲人
ディスカヴァー・トゥエンティワン 2013-04-13

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 『最強のNo.2』 というタイトルがいい! ”ナンバーワン ”でないところ、 ”最強 ”というワード。著者があのサイバーエージェントの取締役人事本部長という ”現役サラリーマン ”である点もポイントだ!

 裏表紙に著者の曽山哲人氏のこんなコメントが載っている。

 この本では、人事の視点を踏まえた自分の経験をもとに、 ”普通のサラリーマン ”が会社の中で成長し続け、社会で突きぬける ”プロフェッショナルな人材 ”になる方法をまとめた。

大きな視点でひとつ肝を言えば、素直さとしたたかさを持ち合わせた【最強のNo.2】になること。

会社の中でのNo.2を目指すことではない。

誰かにとって、【必要不可欠な存在になる】ということだ。

メンバー、上司、経営者、つまり会社にとって必要な人になれば、社会にとって必要な人となる。ここでは、そういう人材のことを【最強のNo.2】と定義する。

 もう・・・ ビビビッ と来た! では、さっそく『最強のNo.2』の紹介に入ろう。

 発行元は私の好きな出版社、ディスカヴァー・トゥエンティワン。たまにガッカリする本もあるのだが、気に入る割合が非常に高く、古い体質の出版業界において、書店と直取引をしていたり、いろいろとチャレンジングな試みをしている姿勢がいい。ディスカヴァーの本の特長だが、奥付にこれでもか!という位、たくさんの人の名前が載っている。Book Desingner、Illustrator、Editor までは良しとして

 ・Marketing Group Staff
 ・Operation Group Staff
 ・Productive Group Staff
 ・Digital Communication Group Staff


など、部署別に50名以上の名前が連ねられているのだ(社員全員かな)。ただ Editor(編集者)の名前を載せることは、相当勇気がいることではないか・・・ なぜなら、私は編集者は、著者以上に本を世に出すにあたり、重大な責任を負っている人物と考えているからだ。

 著者は冒頭述べたとおり、(株)サイバーエージェントの取締役人事本部長の曽山哲人氏で、1974年生まれ。上智大学文学部英米科を卒業し、1998年に伊勢丹に入社し、1999年に当時社員数20名程度だったサイバーエージェントに転職したという経歴。東京工業大学の非常勤講師も務めている。

 本書はそのディスカヴァーの 【U25 | SURVIVAL MANUAL SERIES】 というU25世代の若者向けのシリーズの第6作目らしい。特にディスカヴァーだから、U25シリーズだから購入した訳ではなく、インパクトのあるタイトル名に惹かれて買ったから、後で調べた情報なのだが・・・

 デザインは個性的、いや今風なのかな・・・

 フリーペーパーの「R25」を思わせる(私だけ?)、単色使いの鮮やかなカラーリングと、「僕は君たちに武器を配りたい」(講談社)のような活字をデザインとして全面に押し出した感じを組み合わせた雰囲気。
僕は君たちに武器を配りたい僕は君たちに武器を配りたい
瀧本 哲史

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 書店でこのシリーズの本をいくつか手に取ってみたが、デザインコンセプトは共通。本によっては、マンガやイラストが多用されていたり、吹き出しだらけだったり・・・ 活字離れと言われる若者にはとっつきやすいかも知れない。

 本書でもう1つ、特長的だなと感じたのは、章ごとのポイントが一番始めにまとめられていること。普通は前置きの説明から始まって、文中にポイントとなる説明があり、章末に【まとめ】があるパターンが多い。しかし、本書(例 p142)は

会社の成果を生み出す3つの基礎力
 ①目標力 ②役割力 ③評価力

という【まとめ】が1ページ、大きな活字で紹介され、説明が後からされるような構成となっているのだ。文中の説明文も、重要な箇所やキーワードは、色付きでフォントサイズを大きくして目立つように表現されているから、飽きずに読み進められる。

 これぞ ”編集力 ”という感じか・・・
 著者のコンテンツを最大限、魅力的に表現されていると思う。


 では肝心の内容は? というと、このシリーズのコンセプト通り、若者向けのメッセージであったから(著者は人事本部長だからなおさらかもしれない)、40代の私にはあまり得るものはなかったのは残念。でも、amazonでタイトルに惹かれて買ったのだから仕方ない! ただ、先輩の立場で若手に訴えるならこう・・・ みたいな意味では、勉強になる本であった。

 それでは、いくつか気に入ったところや私が整理したいことを書いてみる。


 鳴海のピックアップ
──────────────────────────────■■

◆最強のNo.2 とは?
「大きな視点でひとつ肝を言えば、素直さとしたたかさを持ち合わせた最強のNo.2になることだ。ここで伝えたいのは、会社の中でのNo.2を目指すことではない。私もサイバーエージェントの副社長ではないので、肩書きがNo.2というわけではない。【最強のNo.2】を言い換えれば、誰かに取って【必要不可欠な存在になる】ということだ」 (p9)

 著者のこのメッセージには、強く引きこまれた。誰か(相手をNo.1として)にとっての【必要不可欠な存在】をNo.2 と表現しているところがいい!

◆ANDの才能
「『ANDの才能』とは、さまざまな側面の両極にあるものを同時に追及する能力である。AかBのどちらかを選ぶのではなく、AとBの両方を手に入れる方法を見つけ出すのだ。(『ビジョナリー・カンパニー』より)」 (p25)

 矛盾は常にあるという前提で、向き合い続け、どちらかひとつではなく、どちらも手に入れる。会社のために自分を犠牲にするのではなく、会社の仕事を通じて自分を活かす。

◆「正解はない。正解はつくるもの。」
「今の時代に求められるのは、正解を選ぶ力より、選んだあとに軌道修正する力だ。決めたことが上手くいかないのなら、もう一度決め直す。大きな決断が怖い人は、軌道修正を前提で決めればいい。何度軌道修正してもいいから、とにかく自分で決めること」 (p49)

◆「強みは見つけるのではなく、決めていくもの。」 (p102)
「会社の中では、自分らしさではなく、自分の強みを活かしていくこと。自分らしさを考えるとき、人はついつい理想像とか、こうなりたいという未来のことで考えてしまいがちだ。でも組織に入ると、個人がやりたいことばかりできるわけではない。そもそも自分らしさの定義も怪しい。だからこそ、自分の強みに着目する。弱みを改善するよりも、強みを磨いたほうが効果も大きくなるし、成果を出すための効率もいい」 (p102)

↑ どうせなら、ドラッカーのこの言葉 ↓  を引用して欲しかった・・・

「不得手なことの改善にあまり時間を使ってはならない。自らの強みに集中すべきである。無能を並みの水準にするには一流を超一流にするよりもはるかに多くのエネルギーと努力を必要とする」
(鳴海の関連記事は こちら )

「はじめから一番である必要はない。自分戦略を立てて、実行していく。そういうしたたかさを持って、自分を最大限活かしていく」 (p102)

 たぶん「正解はつくるもの」も「強みは決めていくもの」も、根底の考え方は同じ。たぶん前向きに突き進み、積み上げて、それを磨きつづけることが重要なのだと思う。

◆「感情と行動を分ける」
「好きならばそのまま突き進めるので問題はない。嫌いな感情が生まれてしまったときに、いかにそれをプラスに持っていけるか。嫌いな感情との向き合い方は、それを無理矢理好きになるのではなくて、感情と行動を切り離す。」(p106)

◆目標に使える「SMART」 (p153)
 【S】Specific ― テーマ・表現は具体的か?
 【M】Measurable ― 第三者が定量的に測定できるか?
 【A】Achievable ― 現実的に達成できるものか?
 【R】Result-based ― 成果に基づいているか?
 【T】Time-oriented ― 期限がついているか?

 (堀内浩二『リストのチカラ』より)
リストのチカラ [仕事と人生のレベルを劇的に上げる技術]リストのチカラ [仕事と人生のレベルを劇的に上げる技術]
堀内 浩二

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 冒頭で著者の曽山氏は

「真面目はいいこと。でも、クソ真面目でいることで、この世の中では損をすることがある。経験上、断言できる。かくいう私も、完璧主義。優等生風にしていれば物事はすべて上手くいく、と思い込んでいた。」 (p5)

と語っており、正直不信感を抱いた。私はスターバックスの元CEOの岩田松雄氏の

「スキル系だけいくら高めても、いずれ限界がやってくる、ということです。高めるべきは人間性であり、人間の徳とでもいうべきもの。人間性そのものをしっかり鍛えておくことが大切になるのです」  (『「ついていきたい」と思われるリーダーになる51の考え方』 p125

という考え方が好きだし、処世術を学ぶのも身につけるのも嫌いだからだ。

 幸い曽山氏の教えの中には、上司攻略法のようなものこそあれ、「正解はつくるもの」 や 「強みは決めていくもの」 といった、若手が地盤を固める上で大切なコツがしっかりと書かれており、安心した。今後、サイバーエージェントという会社だけでなく、一人のビジネスパーソンとして着目していきたい人物である。

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posted by 鳴海寿俊 at 00:00| Comment(0) | 【書籍】 ビジネス書 | 更新情報をチェックする
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