2012年06月29日

クスリ【05】『業務改善』 【任せる】以前に【仕事自体をなくす】ためのアプローチ

 小倉広氏は著書『任せる技術』(日本経済新聞社)でこう述べる。

「任せることができない上司は、部下の仕事を自分で抱え込む(略)しかし、経営者から見るとその上司は 『仕事をしていない』に等しい。つまり本来の上司の仕事をしていない。部下の仕事を上司が奪っていることにしかならないのだ」 (p36)

任せる技術―わかっているようでわかっていないチームリーダーのきほん任せる技術―わかっているようでわかっていないチームリーダーのきほん
小倉 広

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 これは一般論。確かに、自分で抱えているその仕事が【必要】という大前提に立てば、まさにその通りであろう。しかし、日々変化している仕事環境の中では、まず

「この仕事は本当にやらなければならないことか?」
「このやり方でいいのか?」


という観点で振り返ってみることが大切ではなかろうか。忙しくて、ゆとりがない時ほど原点に立ち返ってみたら、やる必要のない仕事をカットできて【ラク】になる・・・  なんてこともあるのだ。仕事そのものを「減らす(なくす)」ためには、原点に立ち返って見直すことが重要。ここではいくつかの【業務改善】のアプローチをご紹介する。

【ECRSの法則】

(1)Eliminate
 なくす、やめる、捨てる、除く

(2)Combine
 統合する、結合する、一緒にする

(3)Rearrange
 並べ直す、順序の変更、置き換える

(4)Simplify
 簡単にする、単純にする

出典:『図解入門ビジネス製造現場の見える化の基本と実践がよ~くわかる本』
 (石川秀人 著・秀和システム) p169 より

図解入門ビジネス製造現場の見える化の基本と実践がよ~くわかる本 (How‐nual Business Guide Book)図解入門ビジネス製造現場の見える化の基本と実践がよ~くわかる本 (How‐nual Business Guide Book)
石川 秀人

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※鳴海の紹介記事は こちら

【業務改善の8原則】

@廃止: この仕事をやめたら何が困るか
A削減: この仕事を少し手抜きできないか
B標準化: この仕事はだれにでもすぐにできるか
C機械化: 手書きを少なくできないか
D容易化: 仕事を無理に難しくしてないか
E計画化: もっと計画的に仕事ができないか
F同期化: 仕事のピークオフをならすことができないか
G分担検討: 分担を変えることで効率的に仕事ができないか

【簡素化発想の仕方】

@機能の目的確認
 (何のために・・・ どんな効果・・・)
Aやめられないか
 (やめたら何が困るか、他にどんな影響が出るか)
B移管できないか
 (他でやったほうがよくないか、重複や類似機能はないか)
Cやり方を変えられないか
 (簡素化、標準化、機械化など)
D分担変更ができないか

出典: 『業務改善の基礎テキスト』
 (秋月隆男 著・ 日本能率協会マネジメントセンター) p119 より

業務改善の基礎テキスト (できる・使える)業務改善の基礎テキスト (できる・使える)
秋月 隆男

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 【ECRSの法則】は一般的でいろいろな本でそのアプローチが紹介されている。ただ私は【ECRSの法則】を知る以前に、古くてもう入手困難な本『業務改善の基礎テキスト』の方に大変お世話になった。メーカーで新商品の企画を担当していた新人の頃、売上にあまり貢献しない目立たない商品ジャンルを担当していた。

カラー変更程度のマイナーチェンジばかり・・・ 

当然売上規模も小さいので、販売部門の担当者は熱意もない。目先の売上欲しさに、安易にマイナーチェンジを要求するのだから、発売してもロングセラーになるはずがない。一時的な売上は確保できても、すぐに売上は低迷。そして再び、販売部門からの "その場しのぎ" のマイナーチェンジ要求・・・ この繰り返しだった。

 私は企画担当者としての虚しさを感じながら、この "やらされ仕事" を何とか減らしたいと考えていた。そんな折に出会ったのが【業務改善の8原則】である。8つの観点で見直すことにより、仕事を減らせる(なくせる)いわば "武器" だ。

 「C機械化: 手書きを少なくできないか」などは今でこそ、時代を感じてしまうが、「手書き」→「アナログ」と読みかえれば、このIT時代の現在でも十分通じる "武器" であることに違いはない。

 「カイゼン」や「見える化」の取り組みは、今でこそデスクワークにも応用できることは周知されているが、以前の「業務改善」に関する本の多くは、物流や生産といった限定的なフィールドを対象に語られていた。もちろんこれらの考え方を自らのデスクワークにアレンジすること自体は可能であったが、自分の仕事にフィットする事例はありそうでなかった。だから、オフィス業務/事務業務を対象とした改善について解説されている『業務改善の基礎テキスト』に出会ったとき、新鮮な気がして大袈裟ながら感動したことを覚えている。

 私は、この【業務改善】というアプローチのおかげで、マイナーチェンジという仕事の虚しさから解放されることに成功した。その体験談は追々ご紹介するとして・・・

企画屋であった私はふと気づいた!

クリエイティブな仕事において、仕事を減らすためのコツは
【企画発想】のテクニックだけでは見いだせない!


なぜなら【企画発想】は新たに生み出すことを目的としているからだ。仕事を "減らす" ことには不向きなのだ。そしてその後、コールセンターや物流の業務に携わって、もう1つ気づいた。

【業務改善】の観点だけでは、仕事を "減らす" ための
アイデアを膨らませることはできない!


なぜなら【業務改善】は何かを "なくす" や "やめる" というアプローチは得意だが、例えば今までとは違った仕事のやり方などを "新たに生み出す" ことには不向きだから。

【業務改善】と【企画発想】の両方のアプローチ
を取り入れることで、効果的に "仕事がラクになる"

というのが私の持論である。

クスリ【06】『企画発想』 " 仕事を変化させる " ことによりラクにするアプローチ

につづく。

【連載コラム】 病む前に効く!仕事を減らしてラクになれる『仕事のクスリ』
 ┣ クスリ【01】『キャッチボール』  相手と気持ち良く仕事をするためのコツ
 ┣ クスリ【02】『インプット』 厳しいスケジュールで仕事を引き受けずに済むコツ
 ┣ クスリ【03】『スケジューリングの3機能』 仕事の遅延を未然に防ぎ【ゆとり】を手に入れる
 ┣ クスリ【04】『プライオリティー』 自己管理能力を高める仕事の優先順位決めのコツ
 ┣ クスリ【05】『業務改善』 【任せる】以前に【仕事自体をなくす】ためのアプローチ
 ┣ クスリ【06】『企画発想』 【仕事を変化させる】ことによりラクにするアプローチ
 ┣ クスリ【07】『自己否定』 自分の仕事が発生しなくなるテクニック
 ┣ クスリ【08】『未然防止・根本解決』 仕事の発生源を断ち仕事自体を発生させないコツ
 ┣ クスリ【09】『事前相談』 相手を味方につけて思い通りに仕事を進めるコツ
 ┣ クスリ【10】『あえて従う』 意見の食い違う上司に優越感を感じる究極の【上から目線】
 ┣ クスリ【11】『やり過ごす』 上司から面倒な仕事を押しつけられないようにするコツ
 ┣ クスリ【12】『美しい体裁』 相手の信頼を勝ち取り細かいチェックを受けずに済むコツ

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posted by 鳴海寿俊 at 00:00| Comment(0) | 【連載】 仕事のクスリ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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