2012年06月30日

クスリ【06】『企画発想』 【仕事を変化させる】ことによりラクにするアプローチ


 クスリ【05】 『業務改善』 【任せる】以前に【仕事自体をなくす】ためのアプローチ で

【業務改善】の観点だけでは、仕事を "減らす" ための
アイデアを膨らませることはできない!


【業務改善】と【企画発想】の両方のアプローチ
を取り入れることで、効果的に "仕事がラクになる"
 
と書いた。今回は後者、【企画発想】の手法の1つをご紹介する。

 アレックス・F・オズボーン(Alex. F. Asborn)氏が考案した発想の法則で、【オズボーンのチェックリスト】というものがある。企画系の仕事に携わっている方々にとっては説明するまでもない、お馴染みの手法・・・ にも関わらず、企画系の仕事に就いていない人は【業務改善】のアプローチから入ることが多いため、意外なことにこの超有名な手法を知らない人が多い。

 簡単に説明すると、9つの切り口(①転用、②応用、③変更、④拡大、⑤縮小、⑥代用、⑦置換、⑧逆転、⑨結合)で問いかけを行うことにより、新しい要素の組み合わせを発見するための発想法である。

【オズボーンのチェックリスト】

①転用: 他に使い道はないか
(そのままで新しい使い道は? 改善、改良した使い道は?)

②応用: 他からアイデアが借りられないか
(他にこれに似たものはないか? 何か他のアイデアを示唆していないか?
 真似できないか?)

③変更: 変えてみたらどうか
(意味、色、動き、音、匂い、様式、型など)

④拡大: 大きくしてみたらどうか
(より大きく、強く、高く、長く、厚く・・・ 時間は、頻度は、付加価値は、材料は・・・?)

⑤縮小: 小さくしてみたらどうか
(より小さく、軽く、低く、短く・・・ 何か減らせないか? 省略できないか?)

⑥代用: 他のものでは代用できないか
(何か代用できないか? 他の素材は? 他のアプローチは?)

⑦置換: 入れ替えてみたらどうか
(要素を取り替えたら? 他のレイアウトは? 他の順序は?)

⑧逆転: 逆にしてみたらどうか
(後ろ向きにしたら? 上下、左右をひっくり返したら? 役割を反対にしたら?)

⑨結合: 組み合わせてみたらどうか
(合体したら? 混ぜてみたら? ユニット、目的を組み合わせてみたら?)

 デジタルカメラの新製品を開発する場合を例に挙げれば、一眼レフカメラの技術を「転用」して高性能なデジタルカメラを開発してみるとか、防水機能を「応用」してみるとか、サイズをコンパクトに「縮小」してみるとか、携帯電話と「結合」してみるとか・・・ (例が古い?)

 このように9つの観点で 半強制的にアイデアを出す ことにより、ただやみくもに考えて、アイデアが浮かぶのを待つよりも、効率的にアイデアを生み出すことができるというメリットがある。

 この手法は、【仕事を減らす】といった目的のために生み出されたものではないので、【業務改善】の手法としてはあまり紹介されていない(というか私は業務改善の本で【オズボーンのチェックリスト】が紹介されているのを見たことがない)。

 しかし先ほどの【業務改善の8原則】と一緒に組み合わせて使うことにより、【仕事を減らす(なくす)】ためのアプローチや選択肢の幅を広げることができるのだ。

 企画の分野に携わったことがなければ、これらの本を読むとビックリするかも知れない。「アイデア」とは自然に生まれるものではなく、つくり出すもの・・・ 仕事をラクにする改善の「アイデア」だってそう。

アイデアのつくり方考具 ―考えるための道具、持っていますか? アイデアの99% ―― 「1%のひらめき」を形にする3つの力

(鳴海の紹介記事)
・ 『アイデアのつくり方』と『考具』を読み返してキカクの仕事を思い出してみる!
・ 『アイデアの99% ―― 「1%のひらめき」を形にする3つの力』 

 『アイデアの99%』によれば、「どんな業界にいても、成功できるかどうかは、新しいアイデアを生み育て、それを実現できるかどうか」(p2)にかかっており、整理力を身につければ、アイデアを管理・実行できるという。

 ただ残念なことにアイデアを生み出す「夢追い人」(本書では、常に新しいアイデアを考えているが、整理と集中は他人まかせで、自分はアイデアを考えてさえいればいいと考えているタイプと定義)だけではうまくいかず、「片づけ魔」(本書では、 夢想することなく、実行の手順に常に集中しており、実現性が考慮されないとイライラし、実現するために必要なその次のステップに没頭する傾向があるタイプと定義)だけでも成り立たない。

「夢追い人が単独で仕事をしていると、責任感や周囲からの刺激がなく、アイデアを思いついてもすくに消えてしまいます。片づけ魔は、細かいことばかりに気をとらわれて、斬新なアイデアやソリューションをなかなか思いつきませんが、両刀使いは、数多くのプロジェクトを生み出して実行しますが、注意が分散したり、伸び悩んだりして、本来の可能性に届かないことも少なくありません。どのタイプであっても、適切なパートナーシップを組むことで仕事がはかどることは間違いありません」

(『アイデアの99%』  p150)

 対象が「自分の仕事」であれば、「夢追い人」の【企画発想】と「片づけ魔」が得意とする【業務改善】的なアプローチの両刀使いである方が良いに決まっている。企画系の仕事に携わっている人には【業務改善】を、そうでない人には逆に【企画発想】に取り組んで欲しい。

 私は幸か不幸か、商品開発というクリエイティブワークだけでなく、下流工程である物流やコールセンターなどのオペレーションの業務に携わり、両者の長所・短所に触れる機会を得た。

【業務改善】と【企画発想】

 この2つを一緒に組み合わせて使うことにより、「仕事を減らす(なくす)」ためのアプローチや選択肢の幅を広げることができることを改めて伝えたい。以降、実体験をふまえながら、具体的な活用方法について解説していこう。

【連載コラム】 病む前に効く!仕事を減らしてラクになれる『仕事のクスリ』
 ┣ クスリ【01】『キャッチボール』  相手と気持ち良く仕事をするためのコツ
 ┣ クスリ【02】『インプット』 厳しいスケジュールで仕事を引き受けずに済むコツ
 ┣ クスリ【03】『スケジューリングの3機能』 仕事の遅延を未然に防ぎ【ゆとり】を手に入れる
 ┣ クスリ【04】『プライオリティー』 自己管理能力を高める仕事の優先順位決めのコツ
 ┣ クスリ【05】『業務改善』 【任せる】以前に【仕事自体をなくす】ためのアプローチ
 ┣ クスリ【06】『企画発想』 【仕事を変化させる】ことによりラクにするアプローチ
 ┣ クスリ【07】『自己否定』 自分の仕事が発生しなくなるテクニック
 ┣ クスリ【08】『未然防止・根本解決』 仕事の発生源を断ち仕事自体を発生させないコツ
 ┣ クスリ【09】『事前相談』 相手を味方につけて思い通りに仕事を進めるコツ
 ┣ クスリ【10】『あえて従う』 意見の食い違う上司に優越感を感じる究極の【上から目線】
 ┣ クスリ【11】『やり過ごす』 上司から面倒な仕事を押しつけられないようにするコツ
 ┣ クスリ【12】『美しい体裁』 相手の信頼を勝ち取り細かいチェックを受けずに済むコツ

にほんブログ村 本ブログ ビジネス書へ ← めざせ1位!あなたの応援ポチッが励みになります




posted by 鳴海寿俊 at 00:00| Comment(0) | 【連載】 仕事のクスリ | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください