2012年08月25日

クスリ【10】『あえて従う』 意見の食い違う上司に優越感を感じる究極の【上から目線】

 上司から明確な指示を受けている場合、基本的には従うべきなのは当然だが、指示を受けていない場合には、自分の考えをまとめて、意思を持って相談したい。次の例は上司に相談するスタンスとしては、いずれも悪い例である。

× (A)自分の考え(意思)を持たず、安易に上司の指示を求めること
× (B)方針について事前確認をせずに、仕事を進めてしまうこと

 (A)はスキルアップのためにも、まず自分なりの考えをまとめるという手順を踏むべきだし、(B)は方針が正反対であった場合、費やした時間が無駄になってしまう恐れがある。(A)の場合であっても、どのように考えていいか見当がつかない場合には、「どのように考えたら良いでしょうか?」と正直に相談を持ちかけたい。

 逆に、上司と自分の意見において食い違いが生じた場合はどうしたらいいだろうか?

「一番分かっている自分が正しい!」

これはダメ。若気の至りで、私自身も思い入れを持って取り組んだ仕事ほど、「自分が一番分かっているのだから正しい!」と頑として譲らず、よく上司に反発したものだ。今思えば「自分は何様だ?」と感じるが、当時はどうしても自分の考えを譲れなかった・・・ 上司が「そこまで言うなら君に従うよ」とせっかく自分の意見を受け入れてくれたのに、結局失敗して上司に尻拭いをしてもらう。こんな後味の悪い経験をして得た、私のポリシーは次のようなものだ。

「失敗すると分かっていたとしても」
 最終的には上司に従う


 「失敗すると分かっていても」という点がポイントだ。これは、相手が仮に「ダメ上司であったとしても」である。少々ひねくれた考え方だが、自分がなぜその意見を主張するのかの説明はもちろん必要だが、上司に納得してもらえなかった場合は、素直に相手の指示に従うのだ。すると次のいずれかの結果となる。 

【上司の意見が正しかった場合】
 結果オーライである。上司に対して「さすが」と感じる(かも?)。声に出して言えば上司も悪い気はしないだろう。今後とも上司に 安心して(?)敬意を払うことができるはずだ。強引に自分の意見を 通さなくて良かったとホッとするだろうし、自分自身ももう少し謙虚にならなければ・・・ と反省する良い機会となるだろう。

【自分の意見が正しかった場合】
 部下の意見を受け入れず、上司が押し切ったのだから、上司自ら痛い目に遭っていただこう(これは冗談だが)。普通の神経の上司であれば、負い目を感じて、次からは部下の意見に耳を傾けてくれるはず・・・ またその判断により生じたダメージについては、責任を持って対処してくれるだろう(もちろん自分に責任転嫁されないよう細心の注意は必要であるが)。

失敗に備えたリカバリー策の準備をしておこう!

 繰り返しになるが、部下として強引に自分の意見を押し通すのは、結果がどちらに転んでも苦々しい思いだけが残る。上司の忠告通りだった場合には自己嫌悪に陥るだろうし、逆に自分の主張が正しかった場合には上司のプライドを傷つけてしまう。結果的にその後の信頼関係を歪めかねないので、やはり「失敗すると分かっていたとしても、最終的には上司に従う」が得策である。

 また更にワンランク上を目指すなら、上司に従って失敗した場合を想定して、(こっそりと)リカバリー策を準備しておくことだ。心底嫌な人間のように思われるかも知れないが、納得いかずに上司の忠告に従う以上、失敗した場合はスマートにリカバリーして、評価につなげたい。

 うまくいけば、上司から一目置かれるようになり、以後は自分の主張にも少しずつ耳を傾けてくれるようになるだろう。このような考え方ができてくると、部下だろうと上司だろうと関係なく、相手の主張をできるだけ通してあげて、「相手に気持ち良く仕事をしてもらいたい」という意識に変わってくる。この考え方はまさに

「自分は営業マン」という仕事のスタイル

である。 クスリ【01】 『キャッチボール』  相手と気持ち良く仕事をするためのコツとは? でも触れたが、「相手を喜ばす仕事のスタイル」を是非確立して欲しい。

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 上司を立てながら、失敗した場合のリカバリーもできれば、上司も部下と同じようにコントロールできるようになる。これはマネジメントと言っていい。共感できない上司、尊敬できない上司・・・ これらの人間と行動を共にするのは非常にストレスである。

 でも「上司として認めている」フリをして、「かわいそうな人だな」と憐れみの気持ちで遠くから眺めてみることにより、冷静な気持ちになれる時はあるかも知れない。失敗すると分かっていても【あえて従う】ことにより、自分の立場が上司よりも上になった気がするので、精神衛生上は穏やかな気持ちで嫌な相手に臨むことができる。優越感というか、(究極の)上から目線というか・・・ 

 【あえて従う】というクスリは、上司との関係が取り返しがつかないほど悪化してからでは、効き目は薄いだろう。なぜなら、こちらの態度の変化に対して不信感を持たれかねないからである。「この上司にはついていけない」と感じたら、早めにこのクスリを使って欲しい。関係が悪化して、心身ともに疲れ果ててからでは効果がない。だからこそ「病む前に効く」クスリと言えるだろう。

【連載コラム】 病む前に効く!仕事を減らしてラクになれる『仕事のクスリ』
 ┣ クスリ【01】『キャッチボール』  相手と気持ち良く仕事をするためのコツ
 ┣ クスリ【02】『インプット』 厳しいスケジュールで仕事を引き受けずに済むコツ
 ┣ クスリ【03】『スケジューリングの3機能』 仕事の遅延を未然に防ぎ【ゆとり】を手に入れる
 ┣ クスリ【04】『プライオリティー』 自己管理能力を高める仕事の優先順位決めのコツ
 ┣ クスリ【05】『業務改善』 【任せる】以前に【仕事自体をなくす】ためのアプローチ
 ┣ クスリ【06】『企画発想』 【仕事を変化させる】ことによりラクにするアプローチ
 ┣ クスリ【07】『自己否定』 自分の仕事が発生しなくなるテクニック
 ┣ クスリ【08】『未然防止・根本解決』 仕事の発生源を断ち仕事自体を発生させないコツ
 ┣ クスリ【09】『事前相談』 相手を味方につけて思い通りに仕事を進めるコツ
 ┣ クスリ【10】『あえて従う』 意見の食い違う上司に優越感を感じる究極の【上から目線】
 ┣ クスリ【11】『やり過ごす』 上司から面倒な仕事を押しつけられないようにするコツ
 ┣ クスリ【12】『美しい体裁』 相手の信頼を勝ち取り細かいチェックを受けずに済むコツ

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posted by 鳴海寿俊 at 00:00| Comment(0) | 【連載】 仕事のクスリ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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