2012年08月25日

クスリ【11】『やり過ごす』 上司から面倒な仕事を押しつけられないようにするコツ


「ちょっと、○○くん!」

 声をかけられた瞬間、「ちょうど今はかどっているところなのに!」と心の中でこう叫びたくなる。あなたにもこのような経験はあるだろう。忙しい時に限って、すぐ来いとばかりに上司に呼びつけられては、面倒な仕事を押し付けられてしまう・・・

 私も社会人になりたての頃は、嫌な上司からよく呼びつけられたものだ。朝一番に「今日はこの仕事を一気に片付けるぞ!」と気合いを入れた瞬間、あるいは久々に同期のメンバーとランチに行こうと楽しみにしていた昼休みの直前、トドメは夜の予定に合わせて定時退社のメドが立った瞬間、「今日中にお願いできないかな?」という容赦ない一言。

 信頼を寄せている上司からの頼みとあっては、何を差し置いても協力したいという気持ちは湧くが、部下に対する気遣いのない上司に限って、相手の都合をわきまえない、間の悪い声かけをしてくるのだ。

 私達はこのような(面倒な)上司に対して、どのように対処すれば良いのだろうか?

「はい分かりました」

 上司に限らず、同僚や他部署のメンバーであっても、相談を受けた場合はこのように、できれば快く「OK」と返答したいもの・・・ しかし現実は違う。余裕がない時ほど、できない理由を列挙して言い訳してしまうものだ。

いつでも新たな仕事を受けられるように、
常に「ゆとり」のあるスケジューリングをしておく


 これが毎回できればいいのだが、そう簡単にはいかない・・・ そんな場合は、次のいずれかを選んで、「気持ちの整理」をしてみよう。そうすれば、上司からの強引な要求に対しても、ストレスを最小限に減らすことができるだろう。

(1)できない理由を説明して断る
(2)「アウトプット」の前提条件を提示する
(3)無理して受け、必ず見返りを獲得する

(1)できない理由を説明して断る
 なるべくこの選択はしたくないが、体調が悪い場合や他の仕事を優先したい場合はこの選択をしても構わないだろう。しかしタイミングや仕事の内容によっては、上司から「肝心な時に使えない奴」と思われかねないので注意が必要である(そのレッテルを貼られてからでは手遅れなので、やはり日々の「ゆとり」確保が重要になってくるだろう)。

(2)アウトプットの前提条件を提示する
 厳しい要求というのは「納期」と「クオリティ」のいずれかに当てはまることが多いので、次のような提案をしてみよう。

【トーク例】
「納期を○日まで延ばしてくれれば間に合います」
「このレベルの完成度で良ければ受けられます」
「この部分について誰かのヘルプが得られれば大丈夫です」

(3)無理して受け、必ず見返りを獲得する
 この選択は非常に覚悟がいる。ここで言う「見返り」は、上司の評価であったり、頑張ることによる自身のスキルアップだったりするかも知れない。あるいは良好な人間関係の構築につながるのかも知れない。要はその仕事を受けるに値する「見返り」があれば、何でも構わない。「見返り」がなければ迷うことなく、(1)か(2)の選択をしよう。

逆に言えば「断れない」状況の場合には
必ず見合う「見返り」を得る努力をしよう!


 たとえ無茶な要求であってもいい。要はそれに立ち向かうためのモチベーションの要因を自分で見出せるかどうか、それが大切なのである。ただし受けるからには、やり切る! という覚悟も同時に必要となる。約束が守れないことがあろうものなら

「できないなら最初から断ってくれればいいのに」

と言われて、今後の信頼関係に大きな影響を与えることになるからだ。

上司の思い入れ具合を見極めよ!

 上司からの仕事の依頼については、できる限り「OK」を出せるに越したことはないが、多忙な日々を送りながら、常に上司のペースで仕事を押しこまれ続けては、疲弊してしまう。

・ 真面目に対応せずに済ます
・ 手抜きができるか見極める


というアプローチも覚えておきたい。まずは上司の立場に立って、なぜ自分に声をかけてきたのかを想像してみるのだ。ただ単に頼みやすい相手だから自分に声をかけたのかも知れないし、自分でなければ対応できないから、頼りにしてお願いしてきたのかも知れない。

 基本スタンスとしては、できる限り「OK」の返答が望ましいが

状況によっては真面目に対応せずにうまくかわす
つまり 【やり過ごす】 方がスマート


である。

【あえて】 詳しく確認を行わないこと!

 依頼を受けた仕事の目的や期限、どの程度のクオリティを求めているかという点をさらっと確認したら、あえて詳しい確認を行わない方が良い。「さらっと確認」と「詳しい確認を行わない」がポイント。堅苦しく尋ねてしまうと最後までやらなければならない状況に陥る(上司に最後まで協力してくれるものと勘違いされる)場合があるからだ。

【あえて】 適当に取り繕うこと!

 コツは、なるべく早めにアウトプットしてしまうことである。

「取り急ぎ○○をお送りしておきます」

という感じで、ひとまず仕事を完了させてしまうのだ。あえてメールで送り、口頭では確認を入れない・・・ といった感じで クスリ【01】 『キャッチボール』  相手と気持ち良く仕事をするためのコツとは? で述べた、望ましいコミュニケーションの<逆>が有効である。

 なぜなら時間稼ぎができるからである。

 都度丁寧に報告していたら、次から次へと新しい仕事が降りかかってくる場合があるので要注意だ。上司の反応を見極めながら、その仕事が相手にとって、どの程度重要な案件かを推測しよう。

 よくある話は、依頼主(つまり上司)にとっても、別の誰かから頼まれた「やらされ仕事」で、とりあえず体裁だけ整えて済ませてしまいたいというケースである。そのような仕事に対して馬鹿真面目に付き合っていたら、評価にもつながらないので時間の無駄である。

 部下やパートナーに仕事をお願いした時に、必要以上に手間をかけ過ぎたアウトプットが出てきて

「そこまで丁寧にやらなくてもいいのに」
「もう少し荒くていいから早く終わらせて欲しかった」 


と感じた経験はあなたにもあるだろう。上司も同じである。

労力をかける価値のある仕事かどうか?

この見極めが重要である。最初のアウトプットを提示してから、その後何のレスポンスもなければ、大して重要な仕事でなかったのかも知れないし、それほど急ぎの案件ではないのかも知れない。あるいは、別のメンバーに引き継がれて、仕事自体が消滅していることもあり得る。放置しておき、再度何か言ってくるまで待って良いのだ。

ポイントは、「クイック・レスポンス」と
「クオリティの低い」アウトプット
 

である。最小限の時間と労力で、依頼された仕事の位置づけを確認することが重要だ。結果的に何度も確認を受ける場合には、相手が相当困っているか、重要な案件と捉えなければならない。どうしても忙しくて相手の要求に応えられない場合は、自分の抱えている仕事量を伝えて、優先順位について上司と相談してみよう。

 いずれかを見極めずに取りかかると痛い目に遭う。

 最初のアウトプットまでの時間を長くかけ過ぎたにも関わらず、アウトプットのクオリティが低い場合には、「あれだけ時間をかけてこの程度か!」と自分の評価は下がるかも知れないし、逆にその仕事が上司にとって「やらされ仕事」であった場合には「まだそんな仕事に時間をかけてたのか!」と叱責されるかも知れない。

 「クイック・レスポンス」と「クオリティの低いアウトプット」、この2つを意識して、まず最初は上司を【やり過ごし】てみよう! 忙しい時ほど、全ての仕事に全力投球ではなく、仕事に濃淡をつけるのもスマートなビジネスパーソンと言えるだろう。

【連載コラム】 病む前に効く!仕事を減らしてラクになれる『仕事のクスリ』
 ┣ クスリ【01】『キャッチボール』  相手と気持ち良く仕事をするためのコツ
 ┣ クスリ【02】『インプット』 厳しいスケジュールで仕事を引き受けずに済むコツ
 ┣ クスリ【03】『スケジューリングの3機能』 仕事の遅延を未然に防ぎ【ゆとり】を手に入れる
 ┣ クスリ【04】『プライオリティー』 自己管理能力を高める仕事の優先順位決めのコツ
 ┣ クスリ【05】『業務改善』 【任せる】以前に【仕事自体をなくす】ためのアプローチ
 ┣ クスリ【06】『企画発想』 【仕事を変化させる】ことによりラクにするアプローチ
 ┣ クスリ【07】『自己否定』 自分の仕事が発生しなくなるテクニック
 ┣ クスリ【08】『未然防止・根本解決』 仕事の発生源を断ち仕事自体を発生させないコツ
 ┣ クスリ【09】『事前相談』 相手を味方につけて思い通りに仕事を進めるコツ
 ┣ クスリ【10】『あえて従う』 意見の食い違う上司に優越感を感じる究極の【上から目線】
 ┣ クスリ【11】『やり過ごす』 上司から面倒な仕事を押しつけられないようにするコツ
 ┣ クスリ【12】『美しい体裁』 相手の信頼を勝ち取り細かいチェックを受けずに済むコツ

にほんブログ村 本ブログ ビジネス書へ ← めざせ1位!あなたの応援ポチッが励みになります



posted by 鳴海寿俊 at 00:00| Comment(0) | 【連載】 仕事のクスリ | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください