2016年12月25日

(仮説)金持ちか片付けが得意な人以外は大して紙の本を買わない!?

 紙の本をほとんど買わなくなって久しい。Kindleを購入したのが2014年。その後、快適な読書ライフに大変満足している。何と言っても、何冊もの紙の本を持ち運ぶ必要がないのが嬉しい。Kindleを買う前は、1冊読み切ってもう1冊読みたいという時のために、常に複数冊をカバンに入れていた。重たいし、日によっては持ち出した本を全て読み切れるわけではない。だから、読み切れなかった時は、何となく無駄骨に終わった気がして残念な気持ちがした。次は減らそうか、いや読む本がないのは辛いから多めにに持っていくか・・・ という迷いが常にあった。でも、Kindleならそれがない。いつでも買った本が読めるし、新たに読みたくなった本が移動中に買えるのだから。

 紙の本が読者に強いる【3重のコスト】(持論)については、 このブログでも何度も触れた 。

読者が支払う 【3重のコスト】
 1.購入するための 【お金】
 2.整理するための 【時間】
 3.処分することに対する心理的な 【痛み(抵抗感)】

 紙の方が割高だし、かさばる。保管スペースは無限ではないから、一部の本は手放さなければならない。これらのコスト(いや私にとってストレス)からは、電子書籍であれば解放される。なのに未だ、読みたいと思った本が電子化されていないことが多々ある! それは電子書籍の便利さが認知されておらず、ニーズの高まりがまだ不十分なのだと推測する。

 不信感を抱くのが、多読家であろう書店員たちの、電子書籍に対する批判的な姿勢である。多読家たちが 【電子書籍ウェルカム】 の雰囲気をどんどん作ってくれれば、紙・電子の同時発売が当たり前になるはずなのに・・・ (いや、待てよ)。私は1つの仮説を思い浮かべる。

 書店員は本をそれほど読まない(買わない)のではないか・・・

 昨今の書店業界について、書店員の給料はそれほど高くなく、雇用の維持も難しいと聞く。経営も厳しく、人員削減も強いられているとすれば、残業も増えて、書店員の読書時間も書籍購入に費やす金額も減っているだろう。でも本当の本好きであれば、家賃は減らしても書籍購入費用は減らさないはず・・・ とすると本棚は一杯になるから、どうしても一部の本を処分せざるを得なくなる。本の処分については、私が感じる以上に書店員たちは抵抗感を持つはずだ。

 本を処分する・・・ という状況に至らない書店員はそれほど多くの本を買っていないはずだ! よほど広い部屋に住んでいない限り、購入した本を溜め込む大きな書棚スペースは持ち合わせていないはずだ! 普段、本に囲まれた職場でペラペラとめくっただけで読んだ気になっているだけではないのか! 購入しなければ業界にも貢献しておらず、著者にも還元していない! 

 「電子書籍なら場所を取らずに済む」 と頭をよぎったとしても、電子書籍を買うことはタブーとされているのかも知れない。

 電子書籍を買うことに対する抵抗感

があるのだろう・・・ だったら、書店員が抵抗感を持たずに済むスキームを作ればいい。ドイツの 【tolinoアライアンス】 などは大変参考になる。リアル書店で電子書籍を販売しても、手数料が入ってくるから書店員は抵抗なく、電子書籍をお客様に売ることができる。

 日本でも遅ればせながら、 書店における電子書籍販売事業概要(総括版)(出典:一般社団法人日本出版インフラセンター) という取り組みが始まっているようだ。とにかく、出版業界・書店業界は読者の方を向くべきである。書店ありきとか、紙の本ありきとか、身内をどう守るかとか・・・ こだわりを捨てて、他の業界では当たり前のユーザー目線で物事を考えて欲しい。

 最後に、しつこいようだが、記事タイトルの仮説について触れておく。

 「金持ち」は書斎や書棚など本の保管スペースを多く持っているから、紙の本がかさばるとか、処分しなきゃという発想があまり起きないはず(いや躊躇なく、同一書籍で電子と紙の両方を買っているかも知れない)。そして「片付けが得意な人」はきっと、本に限らず使わない物はバッサリと切り捨て、処分するであろう。

 この両者以外の多読家はどうしたって、溜まっていく本の処理方法を考えざるを得ない。普通に考えれば、自然な流れとして紙ではなく電子の本に流れるはずなのである。コレクションとして紙の本を残そうとする人(残す金銭的/スペース的なゆとりのある人)は金持ちであり、紙の本を買い続けて何のストレスも感じていない人は、実はそれほど多くの本を買っていない、つまり多読家ではないのである・・・

 これが私の仮説である。最後にもう一言。多読家でない書店員に何の価値がある? まず本を買って読んで欲しい! そしてくだらない本は仕入れないでいただきたい!(並べて客を惑わすな!) お客様のニーズ(紙か電子か)に合わせておすすめして欲しい! 究極は これ だと思う。

 そういう意味では、さわや書店の田口幹人氏のストイックな姿勢には敬意を表する(紹介記事は こちら )。出版不況の中でも頑張っている人が少なからずいる。私は読者として、この麻痺した業界にメスを入れることができたら本望である。

出版業界を変えてくれそうなキーパーソン[随時更新]

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タグ:電子書籍
posted by 鳴海寿俊 at 23:17| Comment(0) | ネット・電子書籍 | 更新情報をチェックする

2016年06月20日

医書.jp 「デジタルと紙のハイブリッド販売を書店を窓口に出版社として実現する仕組み」

 医書.jp が先週6月6日に電子書籍の配信サービスを開始した。概要について、以下『文化通信』(2016/6/13号)の説明文を引用したい。

 出版社が共同で会社を作り、既存の書店を全面的に巻き込んだ電子書籍のプラットフォームを運営するという、これまで例のない試みが医学書の世界で始まった。医学書出版5社が発起人となって始めた電子書籍配信プラットフォーム「医書.jp」は、リアル書店との緻密な連携が特徴。また、電子書籍と雑誌を包含する総合プラットフォームであり、個人向けと病院や大学など施設向けサービスをシームレスに利用できる環境構築を目指すなど、現場での使われ方に即した様々な構想が散りばめられている。

『文化通信』(2016/6/13号)

 以前より、ドイツの「tolinoアライアンス」(鳴海の関連記事は こちら )のような取り組みには注目していた。日本での取り組みと言えば、2013年に文教堂書店が始めた「空飛ぶ本棚」(プレスリリースは こちら )や翌年2014年にTSUTAYAと「BookLive!」との提携(プレスリリースは こちら )が記憶に新しい。しかし、いずれも紙の本を買えば、電子版が読めるという、電子版はあくまでもサブ的な位置づけに感じられた。

 しかし、tolino は明らかに違う。参加書店の店頭で電子書籍端末を販売し、端末を購入したユーザーが電子書籍を購入すれば、販売マージンが端末を販売した書店に入る仕組みだ。紙の本を購入しなければ電子版が手に入らない、という日本の仕組みと違って、tolino に参加している書店はお客様の要望に応じて、電子版をオススメすることも可能であろう。これこそ、本来の小売業の姿だ。

 電子版の本を読みたいという読者に対して、紙の本しか提供できないのは書店の努力不足、いや書店員のエゴだ! これだけデジタル化が進み、スマホやタブレットが生活に入り込んでいる以上、その画面で読書することも認めるべきだ!

 正直言って、amazon書店が日本上陸するのを待ち望んでいる自分がいる。何となく立ち寄ったり、本との出会いを提供してくれる書店はこれからも残って欲しいが、買うと決めた本によっては電子版をその場(リアル書店)で購入できるサービスは、私にとっては非常に有り難い。豊富なamazonのリコメンド情報が書店で得られるのも有り難い・・・ こだわりの書店員のコメントPOPなんかより、よっぽど客観的な本紹介ではないか。

 さて、医書.jp に話を戻そう。医書.jp の利用にあたっては、必ず登録時に取引先書店を決めるようになっており、電子書籍の新刊情報などはその書店経由で提供されるのだという。利用者は、医書.jp での直接購入もできるが、従来の書店決済(請求書払い)も選択でき、病院などの施設の公費で紙の書籍を購入するような感覚で、電子書籍の購入することを可能にしている。いずれの場合も、書店に一定のマージンが支払われる仕組みが構築されているというから驚きである。掲載記事の表現を引用すれば、これはまさに

「デジタルと紙のハイブリッド販売を書店を窓口に出版社として実現する仕組み」

というわけである。しかしこのサービスの実現には長い道のりがあった。

 このように 医書.jp が病院や大学などとの施設向け配信へ簡単にできる参入できる背景には、医学書業界が書籍の「著作権譲渡契約」を進めてきたこともある。医学雑誌ではそれまでも一般的だったが、デジタル化を前提に10年ほど前から書籍についても著作権譲渡契約をへの移行を進めてきた。大手医書出版社の新刊は、ほぼ著作権譲渡契約になっているという。業界挙げての契約の努力もプラットフォームの運用に貢献している。

『文化通信』(2016/6/13号)

 医書.jp のサービス発表の プレスリリース には、「医学・医療に携わるすべての専門職に電子コンテンツを迅速に届け、日本の医学・医療の進歩に貢献することを使命としています」とある。まさにこの使命感、本気度が他のジャンルの本(出版社)とは別格なのかも知れない。

リアル書店にとっては電子と紙のシームレスな営業体制を
構築でき、出版社にとっては紙書籍の販売で築かれた
書店外商の力を電子にも利用できる 医書.jp

 このように『文化通信』が述べる通り、デジタル時代の書店との共存モデルの1つになり得るかも知れない・・・ 私はこの取り組みに強く期待している。そしてこの刺激を受けて、紙の本にこだわらない、新しいビジネスモデルを生み出す改革者の出現を期待したい。

(鳴海の関連記事)
 出版業界を変えてくれそうなキーパーソン 


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posted by 鳴海寿俊 at 00:41| Comment(0) | ネット・電子書籍 | 更新情報をチェックする

2015年08月08日

【kindle版発売】『闇の伴走者: 醍醐真司の博覧推理ファイル』 (長崎尚志 著/新潮社)

4101268517闇の伴走者: 醍醐真司の博覧推理ファイル (新潮文庫)
長崎 尚志
新潮社 2015-02-28

by G-Tools

kindleユーザーに朗報!
WOWOWでドラマ化された『闇の伴走者』がついにkindle化。
( 2015年春ドラマの原作本の 【kindle化率】 をしらべてみた )

2015年2月28日発売のタイトル・・・
kindle版の発売日は、2015年8月21日


kindle版ならすぐ買うと決めている読者もいるはずなのに・・・
紙の本には【3重のコスト】がかかるから

出版社には、多様な読者ニーズに応えるべく
紙と電子の同時発売を心掛けて欲しい!


今後、過去のランクインタイトルがkindle化されたら、逐一紹介していこうと思う。


(参考web)
『徹底解説!電子書籍の読み方「イロハ」』 日経BP社 PC Online
(1)ベストセラーの電子書籍化率はどれほどか?(2014年9月16日)

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見習うべきダイヤモンド社の取り組み
「読者の便を考え、基本的にはすべての書籍で電子版をほぼ同時に発売しています。編集者には紙と電子を含む出版契約書を早めに交わすよう指示しています。契約が事前にしっかり交わされていれば、毎週木曜日に紙の本を取次搬入し、電子書籍は翌週の月曜日には発売できる体制です。このタイミングですと、ほぼ地方も含めて紙が書店店頭に並んだ段階で電子書籍が発売されることになります」
(ダイヤモンド社書籍編集局長・今泉憲志氏)




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posted by 鳴海寿俊 at 23:14| Comment(0) | ネット・電子書籍 | 更新情報をチェックする