2014年08月28日

高井昌史氏(紀伊國屋書店社長) 「仕事のやり方、意識変えよ」

 『新文化』。" 出版界唯一の専門紙 " と自ら謳う、出版業界に携わる人間なら誰もが知っている業界紙。仕事で関わりを持つようになり、情報収集の一環として読むようになった。ビジネス書の著者になりたいと思っていた時期もあり、この業界にはかねてから興味があった。しかし、知れば知るほど募る違和感。他の業界ではあり得ないこと、思っていたとしても恥ずかしくて言えないことも紙面上で堂々と語られている。

「どうなってるんだ、この業界は・・・」

 批判ばかりも気が咎める。ただ、良書を求める読者を裏切るかのように、安易に新刊を乱発する状況は許せない! そこで出版業界を変えようとする改革者たちを微力ながら応援することに決めた。

 ⇒鳴海の関連記事 出版業界を変えてくれそうなキーパーソン 

 【連載コラム】 ビジネス書に対する接し方が変わってしまった! では、「買ってもらえる本」 を目指すだけでは足りない! もはや本である必要のない 「情報」 をどう売るか! を考えるべきと述べたものの、この点は【作り手】側の問題が大きく、【売り手】である書店員の方たちにはどうにもならないことなのかも知れない。でもこの書店だけは違うかも知れない・・・ そんな期待を抱かせてくれたのが、紀伊國屋書店の高井昌史社長、その人である。『新文化』(2014/08/28号)の一面を飾る、高井氏へのインタビュー記事を読んで

 「さすが、紀伊國屋書店!」

これが私の正直な感想だった。紙面に踊る「読者目線でサービスを」「仕事のやり方、意識を変えよ」という小見出しも心地よい。書店の売上高ランキングでは2012年にTSUTAYAにトップの座を奪われた紀伊國屋書店。しかし、書店のブランド力という意味ではまだまだ健在。個人的にも好きな書店である。

(参考web)
 ・ 日本著者販促センター「出版業界の豆知識 書籍・文具業の売上高ランキング 2013年 ※日経MJより」
 ・ TSUTAYAニュースリリース「2013年書籍・雑誌の年間販売額1,130億円(過去最高)」
 ・ Business journal「ツタヤ、なぜ国内書店最大手に?書店業界で広がるIT活用と、電子書籍との共存策」
 ・ CNET Japan Marketers'「リアル書店で売上1位--TSUTAYAがこだわる書店のあり方とこれから」

 その紀伊國屋書店の高井社長が語る「われら今、何をなすべきか」。鳴海が心を打たれたメッセージをピックアップしてご紹介する。

* 『新文化』(2014年8月28日号)『紀伊國屋書店の高井昌史社長に聞く<上>』より

 書店全体の店頭売上げは7月期を終えて、さらに悪化しています。1月から6月末までの実績は前年同期比5.9%減。消費税が上がった4月から3ヵ月間は7.1%減で推移しています。1兆3000億円という市場規模は年3%減で算出したものの、それではとても済まない。私の見通しは相当甘いということです。1兆2000億円になってもおかしくない。いまの日販、トーハンの売上げを足した数字とほぼ同じくらいか、それを下回る額です。『大変だ』じゃ済まされませんよ。

 また、今年上半期のベストセラーの上位30点の売上げを昨年と比べても前年同期比18%減。いかに売れ筋商品がないかということです。昨年上半期の1位だった『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』(文藝春秋)は当社で約4万8000部を販売しましたが、今年1位の文庫『永遠の0』(講談社)は3万3000部。それだけを見ても、今年は相当に落ち込むとみていい。

出版社の編集力もかなり低下してきているようにみえます。大手より中堅以下の出版社が心配です

 高井社長は、リアル書店の売上げ減少は当面続き、カフェや文具、雑貨などの複合展開に投資できない書店はつぶれ、売場面積は減り、出版社も困り、負の連鎖が止まらない、と警鐘を鳴らす。

 私が注目したのは、「出版社の編集力」の低下 である。読者目線で言えば、買う価値のある本が減ってきているのではないか。だから私のように堂々と「 果たして【ビジネス書】は買う価値があるのか? 」と主張する輩が出て来る。高井社長はこうも言う。

* 『新文化』(2014年8月28日号)『紀伊國屋書店の高井昌史社長に聞く<上>』より

 出版社には自信のある本については値上げしてもらいたい。

 異論はない。読む価値のある本、それだけのお金を出す価値のある本なら、読者は喜んで書店にお金を落とすだろう。出版社との直取引により粗利アップ。これをチラつかせながら、取次会社(卸)に対しては正味(取次会社から書店に卸す金額)の引き下げを要求する。高井氏は取次会社に対してこう訴える。

* 『新文化』(2014年8月28日号)『紀伊國屋書店の高井昌史社長に聞く<上>』より

 取次会社は出版社と書店の直取引に目くじらを立てるのではなく、いま書店と直取引をしている出版社と取引ができないか、考えてほしい。6791社のなかにはこれから、伸びていく会社も多くあるでしょう。大きな出版社だけでなく、小さな出版社を育ててほしい。取次会社は書店に直でやるなと言っておきながら、そうした出版社と口座を作りたがらない。出版社と直取引をしているのは、なにもウチだけではないでしょ。全国の書店が様々な出版社と取引きをしています。硬直した粗利率のなかで、見計らい配本する委託制度が限界にきている。そこについては出版社も真剣に考えていますよ

 取次会社を揺さぶるかのような、高井社長のしたたかさを感じつつも、【読者目線】の主張に好感が持てた。ただ、高井社長に限らずであるが、単純な疑問としてなぜ出版業界とは別の業界の事例が出てこないのか不思議である。出て来るのは決まって、アメリカやドイツ、フランス(鳴海の関連記事は こちら ) の【出版業界】(身内)の話。ここは日本なのだから、町の電気屋さんが消えて大規模の家電量販店が台頭している話、コンビニでたばこが販売されて町のタバコ屋さんが消えてしまった話など(陳腐な例しか浮かばない自分が恥ずかしいが)、他業界から学ぶべきこともあるだろう。

 書店にはたくさんのビジネス書が並んでいる・・・ 当然、業界復興や活性化するための対策のヒントとなる本は少なくないはずだ。本に囲まれ過ぎて、読んだ気になっているのか? 本好きなだけで新しいことにチャレンジしなければ、この業界は縮小し続けるだろう。

「じゃ、オマエに何ができる!?」

 偉そうに書いているが、所詮は三流以下の評論家だな・・・ オレは。ただ言いたい! 私は読者の一人として【買って手元に残しておきたい読む価値のある本】を数多く世に出して欲しいのだ! 紀伊國屋書店という影響力を持ってすれば、何かこの旧態依然とした業界構造を変えてくれるかも知れない・・・ 当記事は<上>とあり、次週に続く。高井社長のよりいっそうの熱弁に期待したい。

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 そうそう、紀伊國屋書店には「出版部」がある。同じく昨年の『新文化』(2013年7月11日号)に『屋台骨を支える3編集者』(有馬由紀子氏、和泉仁士氏、大井由紀子氏)が紹介されていた。1955年に創設され、数々のベストセラー・話題書を少数精鋭ながら生み出し続けている。

 昨年度(2012年度)に刊行した本の重版率は60%超。

* 『新文化』(2013年7月11日号記事)「 "知の灯" 受継ぐ紀伊國屋書店出版部」 より

 それぞれの企画は2~3週に1度の編集会議に持ち寄り、さらに営業担当者や書店員を交えた会議に諮り、社長決裁で決まる。内容が濃くページ数の多い単行本がほとんどのため、年間刊行点数は、1人平均4点、初版部数は4000部ほどという。しかし、「採算はつねに意識している」と3氏は口を揃える。

「今、書店で本を売って利益を出すには、相当な工夫と努力が必要なのと同様に、編集者も売れない本を作るわけにはいきません。企画を出すときは、やはりシビアに考えます」(和泉さん)

 かつての編集者には、「売れなくても、いい本さえ作ればいい」といった豪語が許される環境があった。しかし現代の編集者を取り巻く状況に、そんな余裕はない。3氏の姿勢には、先の和泉さんの発言に代表されるように、知を追究する一方で、それを売る立場まで考慮した視野の広さや謙虚さが感じられる。

 全従業員約4000人のなかの、たった3人の編集者。だがそこには、伝統の重みや時代の困難に負けないしなやかな勁さが、確かに受継がれている。

 私が読んだ紀伊國屋書店から発行されているタイトルは行動経済学をテーマとした次の1点のみ。翻訳本であるが、良い本であった(紹介記事を書こう書こうと思っていたら今日まで来てしまったのだが)。

4314010479経済は感情で動く―― はじめての行動経済学
マッテオ モッテルリーニ 泉 典子
紀伊國屋書店 2008-04-17

by G-Tools

 そして注目すべきは、編集会議は「社長決裁」という点。前述の高井社長の 「出版社の編集力もかなり低下してきているようにみえます。大手より中堅以下の出版社が心配です」 という発言も説得力がある。小売店主導で商品化する例は、食品や雑貨品等ではPB品と呼ばれ珍しくないが、出版業界でも売れる本(売れさえすればいいということでは決してないが)、売りたい本を書店がプロデュースしていくという動きがもっとあっていいような気がする。

 書店は、出版社が苦しまぎれに出す、ヒット作の人気に便乗した似たタイトルの類書、二番煎じ・三番煎じ本、をただ並べるだけではダメだ! 本を売るだけでなく、プロデュースできる紀伊國屋書店、そして高井社長の動向に今後注目していきたい。

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2013年01月01日

出版業界を変えてくれそうなキーパーソン

 このブログで出版業界に対して苦言を呈したところで何か変わるのか?

 即答でNoである。残念ながら私にはそのような力は持ち合わせていない。ただ「出版業界」に対してではなく、「このブログを読んでくれた人」(たとえば出版業界に携わっている個々のビジネスパーソン)に対してであれば、Yesとなれるかも・・・ というか目指したい。そして微力なりとも、読者が良書と出会えることの力になれれば満足である。

 出版業界にいながらして、自らの業界の問題を取り上げることは身内批判になりかねない。にもかかわらず、旧態依然とした業界に対して警鐘を鳴らしている方が少なからずいる。彼らには心から敬意を表したい。私が着目しているのは次の方たちである。心を打たれた彼らのメッセージとともにご紹介する。

【鳴海が着目する出版業界を変えてくれそうなキーパーソン】

●星野渉 氏「文化通信」 取締役編集長)
「出版業界は、ややもすると『読書離れ』などといって、『読まない者が悪 い』といった切り捨て方をするが、『読まれない物が悪い』と考えて、出版物に新たな価値を付加するような業界としてのアプローチも必要ではないか。」
(『文化通信』 2012/9/10号「出版時評」より)

●柿内芳文 氏(編集者/ 株式会社コルク
「次世代に向けた本を作らなければいけない。これまで多くの出版社はその部分で怠けてきたと思います。」
(鳴海の紹介記事は こちら

●木暮太一 氏(著者/マトマ出版)
「著者は偉ぶるなと言いたい。人気がなくなったタレントがテレビ局に呼ばれなくなるのと一緒で、本気で書かないと次がないことを分かっていない。世の中に良いコンテンツを出して、読者に喜んでもらい、いかにして利益を生むか、それを分かっているプロ意識のある著者が少ない。」
(鳴海の紹介記事は こちら

●三浦崇典 氏(天狼院書店)
「現状、二番煎じ三番煎じの本ばかり、同じ著者の同じような本ばかりが並んでいる」
(鳴海の紹介記事は こちら

●書店界のゴッドファーザー
「出版点数を減らせばいい。くだらない本が多すぎる」
(鳴海の紹介記事は こちら

●奥村弘志 氏(南天堂書房)
「取次は自分たちが損をしないで、書店に負担をかけようとしてる。こんなバカな業界はない。書店を潰せば、取次も出版社もなくなるということを分かっているのか。」
(鳴海の紹介記事は こちら

●漆原直行 氏(編集者/記者)
「読み手だけの問題ではなく、送り手である著者や出版社の一部に見受けられる、『売れたモン勝ち』『とにかく一瞬でも話題になって、注文されて、売り抜けてしまえばこちらのもの』といったあくどい商売っ気にも問題があるとも認識しています。」
(鳴海の紹介記事は こちら

●吉田典史 氏(ジャーナリスト)
「『文章力なんてゼロでいい。それは、ゴーストライティングをするライターの仕事だから・・・』これがビジネス書作りの基本的仕組みだ。この認識で成り立っているから、ゴーストライターに次々と仕事を依頼する。逆にいえば、ビジネス書の著者を目指す場合、文章力を磨くことには意味はない。むしろ、売れる仕組みを作ることに力を注ぎこむべきだろう。この言葉はいまやビジネス書にかぎらず、一部の小説でも聞かれることである。このままでは出版界は衰退するべくして衰退していく。それでも、ゴーストライターを使い続けている。」
(鳴海の紹介記事は こちら

 私は、このブログを通して、彼らの行動やメッセージをどんどん取り上げていきたい。問題意識を拡散させるために。そのお手伝いができたら、大変嬉しく思う。

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posted by 鳴海寿俊 at 16:21| Comment(0) | 応援したいキーパーソン | 更新情報をチェックする

2012年11月19日

三浦崇典氏「二番煎じ三番煎じの本ばかり、同じ著者の同じような本ばかり」

 私が、天狼院書店の三浦崇典氏の名前を知ったのは、'12/11/01号『新文化』の下記コピーのついた記事を読んだ時だ。
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 こんな働き方をいつまで続けるのか?
 【鼎談】 作家・出版・書店人は "主体性" 取り戻せ!

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(鳴海の紹介記事はこちら

 『僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか?』の著者であり、マトマ出版の社長でもある木暮太一氏、『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』をプロデュースした星海社新書編集長の柿内芳文氏との対談記事だった。強烈なメッセージに心を打たれるとともに、まだまだ本づくりにかける情熱を持った人がいるんだ・・・と期待感が満ち溢れて来るのを感じながら読んだ。しかしこの記事での三浦氏に対する印象はそれほど強いものではなかった。

 しかし、とある記事(『文化通信』2012/11/19号)を見て、一気に応援したくなった。
─────────────────────────────────
この業界を救うための唯一の方法
新しい書店の形を考える⑤

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という記事である("⑤" とあるが、残念ながら④、③、②、①の存在については記憶がない)。

 何とも気持ちいい「書店界のゴッドファーザー」と呼ばれる人物との会話(天狼院書店の記事には、三浦氏がこの人物が誰か特定できないよう気遣っている様子が書かれていた)。気に入った部分をピックアップしよう。

三浦氏
「この業界を良くするにはどうすればいいでしょうか。」

"ゴッドファーザー" 曰く・・・
「出版点数を減らせばいい。くだらない本が多すぎる」

 私もそう思う。記事で三浦氏は「(出版点数が多すぎることに)売る側も、作る側ももう気づいているはずだ」と言うが、私をはじめ読者だってとうの昔に気づいている・・・この出版業界の異常さに。

 10年ほど前、私がネット書店の立ち上げに携わった時に驚いたことは、出版社が自社の在庫を単品管理できていないこと。そして、ユーザーの注文(例えば「お取り寄せ」という注文)に対して、責任を持ってデリバリーするという感覚が麻痺して、一方的にキャンセルしても構わないという雰囲気があった。

 書店が発注しても、満数納品されないのが当たり前の業界(当時)。私もこの感覚に慣れようと必至だった・・・でもやっぱりおかしい!日々葛藤であった。Amazonの上陸や電子書籍の普及は、出版業界にとっては良い刺激になり、昨今ではかなり改善してきたように思う。ただ記事で三浦氏が述べる通り

三浦氏
「現状、二番煎じ三番煎じの本ばかり、同じ著者の同じような本ばかりが並んでいる」

肝心なコンテンツがこれである。作り手側の意識がeasy過ぎるのではないだろうか!? ただ最初に触れた、木暮氏や柿内氏のような方々が増えてくれば期待が持てる。三浦氏は出版点数を減らすことによる効果をこのように述べている。

三浦氏
「出版点数を減らすと、どういうことになるだろうか。書店の側から考えると、新刊入れ替え、および返品の業務が激減することとなり、書店の利益を圧縮する人件費を圧縮できる。また、ひとつひとつの本が棚に残る可能性が高くなり、重版率も高くなる。書店の方では雑務が減るので、積極的に仕掛ける時間ができるようになる。」

「出版社の営業も少ない点数を案内することができるようになるために、負担も少なくなる。もちろん、編集者は例えば年間10冊のノルマが5冊に減れば、1冊にかける時間が多くなり、本の完成度が高まる。このサイクルに持っていければ、重版率が上がり、返品率が下がる。」

 返品率が下がれば当然、出版社としては取次(卸)からの入金が増え、資金繰りも楽になる。返品の穴埋めをするために新刊を出すという発想自体がおかしいのである。

三浦氏はこう続ける。

三浦氏
「出版社は自分の得意分野の本を伸ばすことに集中せざるを得なくなる。そうしなければ、競争力を維持できる本を、そもそも作れなくなるからだ。そんな理想論、できるはずはない。そう思われるかも知れない。けれども、実際にこの姿勢を貫いている出版社がある。」

「サンクチュアリ出版である。ここは月の出版点数は1冊ほどで、なので編集に注力することができ、同時に営業も少ない本に集中することができる。1冊の本を丁寧に作り、丁寧に売り伸ばすという、理想の形が、この出版社ではできている。それは恐るべき重版率に表れている。」
(重版率がどれ位なのか数字が明記されていなかったのが残念!)

 例えば現在のサンクチュアリ出版の売れ筋本はこれである。
4861139716自由であり続けるために 20代で捨てるべき50のこと (Sanctuary books)
四角大輔
サンクチュアリ出版 2012-07-12

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 現在、TSUTAYAランキング【第4位】にランクイン中である。ただこの出版社もトラブルを起こしたことがある。2009年3月に発売された「最後のパレード」という作品の著者である中村克氏の盗作疑惑である。真偽のほどは私には分からないが、ここに詳しい経緯が紹介されている(かなり辛辣な文章が掲載されているこれが100%事実かどうか私には判断つきかねる)。

 もし事実だとすれば著者はもちろんのこと、発行元の出版社が責められても仕方ないことかも知れない。ただこれは "過去" のこと。私はこの経験を糧にしてかどうかはわからないが、質の高い本づくりをしている "現在" のサンクチュアリ出版の姿勢を評価したいし、読者として応援したいと心から思う。

※サンクチュアリ出版webはこちら
なんとトップページには「本を読まない人たちのための出版社」とあり独自路線を感じる!

三浦氏は出版社に対して警鐘を鳴らす。

三浦氏
「もっともこの戦略を遂行するには編集と営業の両方の精度が問われる。外せばダメージも大きい。しかし、この業界はそろそろそのような緊張感を持つ必要があるのではないだろうか。この業界を救う唯一の方法は、出版点数を減らし、紙の本の価値を高めることにあると思う。本当にほしい本ならば、価格が2000円を超えても、お客様は購入してくれるのだ。『ストーリーとしての競争戦略』(東洋経済新報社)は本体2800円、『ワーク・シフト』(プレジデント社)は2000円の本である。しかし、これらはベストセラーとなっている。」

◆価格が2000円を超えているベストセラー例
4492532706ストーリーとしての競争戦略 ―優れた戦略の条件 (Hitotsubashi Business Review Books)
楠木 建
東洋経済新報社 2010-04-23

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4833420163ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉
リンダ・グラットン 池村 千秋
プレジデント社 2012-07-28

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 価格が高くても長く売れ続ける本。こんな本を出版社にはたくさん生み出して欲しいし、書店は良書をしっかり見極めて、読者に良書をおススメして欲しい。そう願うのは私だけだろうか。

 私は一人の読者として、今後も出版業界に対する思いを訴え続けていくだろう(たとえ、私が著者としてデビューすることにマイナスとなったとしても)。だって、easyな本を書く気はないし、仮にその夢が実現したとしても、価値を判断できる読者以外に読んでもらうことに何の魅力も感じないから・・・

 現実問題として "売れなければ何も始まらない" のは重々承知している。きっと私に限らず、著者やその予備軍の人達が抱えるているジレンマなのだろう。それにしてもこの問題を解決する突破口を見つけ出すのは難しそうだ。

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posted by 鳴海寿俊 at 00:00| Comment(0) | 応援したいキーパーソン | 更新情報をチェックする