2015年06月07日

デジタルデトックスのすすめ 『週刊ダイヤモンド』 2015/5/23号

週刊ダイヤモンド 2015年5/23号 [雑誌] 「IT断食」のすすめ (日経プレミアシリーズ) デジタルデトックスのすすめ  「つながり疲れ」を感じたら読む本

 『週刊ダイヤモンド』15/5/23号にこんな特集記事が載っていた。

ネット・スマホ中毒が急増中!
デジタルデトックスのすすめ


 スマホやネットへの【依存】による学力低下、健康、社会性に関する懸念を指摘し、対応できる医療機関が不足している実態について紹介されている。【依存】とは次のような状態だという。

 ・ 欲求がコントロールできない
 ・ 耐性が付いてしまい、たくさんないと満足できなくなる
 ・ 禁断症状(やらないと不機嫌になり意欲がなくなる)
 ・ 再発(一時期やめられてもすぐに元に戻ってしまう)

 いまだに(あえて)ガラケーを使っている私は、【イノベーター理論】(参考:日本最大級のマーケティングサイト J-marketing.net)で言うところの " ラガード(Laggards:遅滞者 ” に属すると思うが、過去にこの依存状態を経験し、痛い目にあったことがある。当時、DoCoMoがiモードやiアプリのサービスを開始した時、私は間違いなく ”アーリーアダプター(Early Adopters:初期採用者)”であった。その魅力に完全にのめり込んだ私は、ネット通販での買い物を皮切りに、株のデイトレーディングやゲームにもはまり、挙句の果てには攻略するためのアイテム購入に月に万単位のお金をつぎ込む始末・・・ 

完全な【中毒】であった。

その呪縛を完全に断ち切ったのは5~6年前だろうか。スマホは便利とは思うけれど、誘惑のレベルはiモードの比ではないことは容易に想像がつく。メリットを差し引いてもデメリットの方が大きいと思い、あえてガラケーにこだわっているのだ。

 さて、特集記事の話に戻そう。ネットやスマホへの中毒性における指摘は今に始まったことではない。私が着目したのは、企業が取り組んでいる「デジタルデトックス」の事例だ。いくつかピックアップしてご紹介する。

(事例1) 株式会社ドリーム・アーツ
社内で実践したのは主に3つである。

 1つ目は、メールでCC(カーボンコピー)機能を使わないこと。
余計な情報が拡散するだけなので制限した。これだけで社内のメール送受信は半分から3分の1程度に激減した。

 2つ目が社内資料の作成にパワーポイントを使わないこと。
パワポは余計な絵を加えるなど無駄な作業が増え、作業時間が長くなってしまうためだ。

 3つ目が会議にノートパソコンを持ち込まないこと。
会議中に各人がパソコン画面を開いていると、面と向かっての議論が阻害されるばかりか、会議とは関係のない画面を見ている人までいたため、全面禁止とした。

* 出典: 『週刊ダイヤモンド』2015/05/23号 p98 

 『「IT断食」のすすめ』 の著者でもある山本孝昭社長は、2010年頃に 「電車の中で、みんなスマホばっかりいじっている。なんだか異様な光景でやばいなぁ」(同p98) と感じたそう。私も最近特にそう思う。電車の中で、嫌でも視界に入るスマホの画面はたいていゲームかLINE。ベビーカーに座っている不機嫌そうな子供そっちのけでスマホをいじっている親もいる。いまだに紙の新聞を電車の中で(控えめに)広げている私の方こそ、彼らにとっては異様に映っているのかも知れないが。

 ドリーム・アーツ社のこれらの取り組みの中で私が気に入ったのは 「会議にノートパソコンを持ち込まないこと」 である。私の会社でも会議にはほとんど全員がノートパソコンを持ち込むが、発言者の顔を見ずにずっと自分のパソコンの画面を見ている人がほとんど。

発言する時にキーボードをパチパチやられてはたまったものではない!
発言する気持ちが失せてしまう・・・ こう感じる私の方がおかしいのか!? 

と問い質したい衝動に駆られることがある。私は逆のことをしたくないから、発言者の方に顔を向けて「ちゃんと聞いてますよ」と無言のアピールをしながら会議に参加する。どうせなら、ドリーム・アーツ社のように「パソコン持ち込み禁止」にして、会議の時間も短縮した方が集中して濃い議論ができると思う。

 えっ!? 私が発言しているのに皆がパソコンの画面を見続けているのは
 「私の発言に興味がないから」だって? 

いやいや、「デジタルデトックス」云々の前に、人の話は相手の目を見て聞きましょうよ!(汗)


(事例2) アイリスオーヤマ株式会社
 ダラダラ仕事にメリハリをつけさせようとパソコンの使用時間を45分に制限、集中して仕事をするよう促しました。

 よく「経費削減が狙いか」と勘違いされますが、逆に増えています。パソコンの台数は若干減りましたが、オフィスの真ん中にパソコン島を作ったことで、机の数が倍になったからです。地方の企業は1人当たりのフロア面積が大きいので可能でした。

 当初、社員からは、ブーイングの嵐でした。パソコンが個人用ではなくなり、やっている仕事を中断して、再開時にはまた再起動しないといけないからです。でも、3カ月もしたらこの方がいいとなりました。

* 出典: 『週刊ダイヤモンド』2015/05/23号 p99 

 これは大山健太郎社長の話。大山社長がこの取り組みに踏み切ったのは、東北大学の川島隆太教授から「テレビやパソコンをやっているとき、脳の前頭前野は活動していない」と聞いたからだそう。前頭前野とは、「思考や創造性、情報処理、記憶をつかさどる脳の中枢機能」(同p94)のこと。

 1回45分とは何とも思い切った取り組みである。大山社長がどこまでパソコンを使いこなしているかは不明だが、1945年生まれであることを考えると相当な不信感は社員の間であったのではないだろうか。ただもう決まったこと、拒否権なしという前提であれば、1回45分を有効に使い切るしかない。おのずとメールのダラダラ読みは無くさざるを得ないし、ドリーム・アーツ社のような「CC禁止」のような動きが社員同士で自然と出てくるのかも知れない。

 実際、商品在庫の管理については「直接対話しながら行うようになってからは、状況把握の精度が向上し、在庫の削減にもつながった」(同p99)そう。また資料作成だって無駄なページを減らそうとして、最低限の簡潔な資料を作ろうという意識が芽生えるかも知れない。

 その他、「パソコン島」を作ることで、社員同士の風通しも良くなったという。「顔の前にパソコンがあると各人の表情が見えづらいが、今はトラブルを抱えている社員がいるとすぐに分かる」(同p100)というのだ。確かにデスクトップパソコンが並んでいるオフィスでは互いの顔が見えにくいから、相手がどういう状況か分かりにくい。だから近くの席の人にもメールで・・・というおかしな発想になってしまうのかも知れない。

 いまや米国では、「デジタルデトックス」は一大ムーブメントになっているという。日本でも体験ツアーがあるようなので紹介しておく。


 同記事の後半には、スマホ依存気味の『週刊ダイヤモンド』記者自らがツアーに参加した体験談も紹介されている。ガラケー使いの私には同記者の「食事の写真をフェイブックに投稿したくなる」気持ちは全く理解できないのだが・・・ 自分に置き換えて考えると、良書を読んだ後でブログに書評をアップしたい気持ちに似ているのだとすると少しは分かる気がするかなぁ。

 昔はネットにつながることがホテルなどのサービスの売り文句だったのに、いまや ” ネットにつながらない ” ことを売りにするサービスが注目を浴びているとは、何とも不思議である。

豪華で多機能なものが求められ、豊かで便利になったその先には
逆に必要最低限でシンプルなものにニーズが移っていく・・・


これの繰り返しなんだろうなと思う。

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posted by 鳴海寿俊 at 15:56| Comment(0) | その他気ままなつれづれ | 更新情報をチェックする

2014年12月11日

(お詫び)Amebaブログからの引っ越しにつき復旧中

申し訳ございません! 現在、バックアップデータを復旧中です。
できましたら1週間後に再度ご訪問いただけると嬉しいです。


 12月9日のこと。いつもの通り自分のブログ(http://ameblo.jp/nrs4702/)にアクセスすると、こんな切ない画面が・・・ どうやら強制的にブログデータが完全に削除されてしまった模様。何かの規約に違反すると削除されることがあるとは噂には聞いていたが、まさか我が身に降りかかるとは。問合せをしているものの返事なく、身に覚えがないだけにかなり大ショック。

amebaブログ削除画面.jpg

 ある意味 " リストラ " か・・・ でもこれを機にブログタイトルも変更して、心機一転頑張ろうと思う。

 【旧ブログ】 現役サラリーマンのためのビジネス書考
 【新ブログ】 ビジネスパーソンと良書との出会いを応援するブログ

 (ネーミング・・・ベタ過ぎますかね)


【2014/12/13 追記】
 先ほど(自分の旧ブログ)をダメ元で試しにクリックしてみると、なんとちゃんと表示されるではないか!? 問合せに対するレスはなく、アメーバスタッフのブログを確認してみるとこんな告知が・・・

amebaスタッフブログ告知画面.jpg
(2014年12月12日 19時27分54秒 付 告知記事画面)

「有人監視の誤対応が原因で、問題のないブログに対し利用制限をかけているケースを確認したため同日にご利用制限をかけたブログに関しましては、解除する対応を行いました。該当のお客様におかれましては、多大なご迷惑をおかけいたしまして大変申し訳ございません。」

 これだけで済ますって、ユーザーに対して誠意がなさ過ぎではないだろうか!
 (引越し途中だけど・・・ どうしよう)

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posted by 鳴海寿俊 at 21:56| Comment(0) | その他気ままなつれづれ | 更新情報をチェックする

2014年10月25日

【裸の価値判断】 ではなく 【クリティカルシンキング】 で物事を考えよう

 今週ニュースを賑わした 「マタハラ(マタニティーハラスメント)判決」 と 「SMバー問題」。 どちらも悪い、とは思うけれど・・・ どうも取りあげられ方に違和感がある。これは 「セクハラ野次」(鳴海の関連記事は こちら ) がニュースになった時にも思ったことだ。

* マタニティーハラスメント
 働く女性が妊娠、出産を理由に解雇や雇い止めをされたり、職場で精神的、肉体的な嫌がらせを受けたりすること。


 最近読んだ 『「学問」はこんなにおもしろい! 憲法・経済・商い・ウナギ』 という本。この本を読んで初めて知ったのだが、法学の世界には 「裸の価値判断」 という言葉があるそうである。少々それるが、この言葉の意味を伝えるため、本に載っていた事例を紹介する。

4061385526「学問」はこんなにおもしろい! 憲法・経済・商い・ウナギ (星海社新書)
木村 草太 安田 洋祐 松井 剛 青山 潤 星海社編集部
講談社 2014-06-26

by G-Tools

 例えば、 「危険な乗物は入れてはいけない」 という公園の立て札があったときに、 「自動車はダメだろう」 というのは、誰でも思いますよね。では、 「自転車はどうか」 みたいな部分で、 いわゆるグレーゾーンというのが生じるわけです。グレーゾーンについてどういう理由づけで結論を出すべきか、様々なアプローチがあります。立て札の文言やルールと無関係に、 「自転車それ自体を公園に入れていいかどうかだけを判断すればいいじゃないか」 っていう考え方もあります。これを法学では 「裸の価値判断」 と呼びます。(中略)

 何の根拠もなく、単に主観的に価値判断しているからそう呼ばれます。しかし、それでは人々と判断を共有できない。だから、文言に注目して 「危険な乗物」 の 「危険」 というのはどういうことをいうのか考えようとか、あるいは、これまでは乳母車は入れてきたけれども、バイクは入れてこなかったみたいな前例を踏まえて、自転車をどちらに近いものと説明できるかと考えようとか。(中略)

 いきなり 「裸の価値判断」 を見せられても、その人の個人的な意見と思われてしまうので、納得する人は少ないと思います。そこで、文言であったり、過去の具体例であったり、 「普遍的なこれまでにあったルールを適用している」 という説得に成功すれば、みんな受け入れやすくなる。

(p43-44)

* 発行元 参考web
  若き憲法学者・木村草太先生に、「法学のマインド」を学ぶ!【前編】  

 【裸の価値判断】 をせずに、普遍的でみんなに受け入れやすい基準のもとで判断すべき・・・ と私なりに解釈した。一方、 【クリティカルシンキング】 という思考法がある。簡単に言えば 「本当にそうか?」 と問いかけて前向きに疑ってみる思考法 である。 こちらは、本質を見極めて考えよう・・・ といったところか。

 話を戻すと、「マタハラ判決」 については 「本人の合意、特段の事情なく」 降格させた点が問題とされている。女性目線だと 「一方的に降格させられるなんてヒドイ」 という感想を持ちそうだが、男性目線では 「業績低迷などによる人件費削減などの "特段の事情" は本当になかったのか」 という点も気になる。一方では、自身の病気や親の介護などのハンディを抱えている場合、「不当に降格させられた」 場合、果たして現在の法律で守ってもらえるのか・・・ 結局、男女ともに働き方が多様化している中で、解決すべきは 「働く機会や環境を平等に与える」 ことなのだと思う。それはこれからの時代、 男女 「ともに」 ではなく、男女 「問わず」 というニュアンスで問われてくるかも(男女平等が当たり前になったら逆に男性の方が弱い立場に置かれるケースが目立つかも)知れない。そのうち、女性上司から 「パワハラ」 や 「セクハラ」 を受ける男性も出てきて、女性の 「マタハラ」 だけ法に守られるのは、不平等だと主張するようになるかも知れない。

 「SMバー問題」 については、「SMバー」 はダメだけど、「○○」 ならいいのか? などという議論は、無駄に国会で(国民の)税金を使ってまでして欲しくない。

 「マタハラ」 はよくない、 「SMバー」 で使ったお金を交際費として計上してはいけない・・・ と " 点 " で取り上げるのはよろしくない。試しに、カッコ内の "マタハラ" や "SMバー" の代わりに "○○" としてみると分かりやすくなるかも知れない。
  • 「○○」 (嫌がらせ)はよくない
  • 「○○」 で使ったお金を交際費として計上してはいけない
 いかがだろう。そもそも前者であれば、嫌がらせにあたる 「○○」 すべてがダメだし、後者であれば、交際費で計上することが不適切である 「○○」 すべてがダメなはずである。「マタハラ」 に関しては、セクハラやパワハラと同じように略称を定着させようとするメディアの思惑が透けて見えるし、「SMバー」 に関しては視聴者が食いつきやすいワードを前面に押し出しているように感じる。問題の本質が視聴者に伝わりにくいと感じるのは私だけだろうか。

 「セクハラ野次」がニュースになった時には、確かにセクハラは良くないけど、そもそも野次自体はどうなんだ!? と思った。税金を使っておいて、議員たちが野次を飛ばしあっているのは正直見苦しい。

 【裸の価値判断】 ではなく、【クリティカルシンキング】 で物事を考えようよ・・・
 ニュースを見るたびにこう思う、今日この頃である。

4799314971実践型クリティカルシンキング (次の10年にプロフェッショナルであり続ける人の教科書)
佐々木裕子
ディスカヴァー・トゥエンティワン 2014-06-26

by G-Tools

453404562X3分でわかる クリティカル・シンキングの基本
小川 進 平井 孝志
日本実業出版社 2009-05-21

by G-Tools

4478020582改訂3版 グロービスMBAクリティカル・シンキング (グロービスMBAシリーズ)
グロービス経営大学院
ダイヤモンド社 2012-05-25

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posted by 鳴海寿俊 at 00:00| Comment(0) | その他気ままなつれづれ | 更新情報をチェックする